イタリアの美しい星と風景に癒されるー—いざ、星空散歩へ!ーーという素敵なコピーの「プラネタリウムの上映案内」が目に留まりました。プラネタリウムというと科学館や博物館に併設されていて、星の運行が映写される天体学習のイメージがあったのですが、今回は東京スカイツリーの足元、スカイツリータウンに設けられた、集客の目玉のひとつとされる商業施設での上映です。
上映の宣伝文句も奮っています。「歴史的建造物のある街並みや、美しい田園風景と大自然が広がるイタリア。首都ローマから地方へも足を運び、とっておきの星をみられる場所、「シエナ」にもお連れします。 また、イタリアはギリシャ神話から連なるローマ神話や、『天文学の父』と呼ばれるガリレオ・ガリレイを生み出すなど、星との繋がりが多い国でもあります。イタリアの美しい星と風景に癒され、神話から星々を読み解きます。プラネタリウムから、イタリアで星に包まれる星空散歩に出かけましょう!」 これは、もう行くしかありません。
40分の上映が始まりました。半球形のドームに映し出される大迫力の映像、大きくリクライニングできるゆったりとしたシートで、まるで映像の中に引き込まれるかのような感覚です。ローマの「ナヴォーナ広場」から、全てのローマ神を奉る「パンテオン」に移動し、そのドーム頂部の天窓から天空に飛び出し、夕暮れの「スペイン広場」へと映像は移動していきます。
いよいよ星空が投影されました。美しい星空に星座が描かれ、「星座の起源はメソポタミア文明で、その後ギリシャ神話に引き継がれていきます。」との説明があります。「遠く離れたイタリアでも、日本と同じ星座を見ることができます、何故なら緯度がほとんど同じだからです。」というのは、まあ当然といえば当然ですよね。そして、流れ星が降ってきます。「イタリアでも8月には流れ星にお願いをするお祭りがあって・・・」と、静かなナレーションを聞いていると・・・。
「しまった、寝落ちた!」
暗い館内で、星空を見ながら、ゆったりとしたリクライニングシートに身を預けているのですから、寝ますよね。楽しみにしていた地方都市「シエナ」に関する映像の記憶が全くありません。少々残念ですが、非日常のプラネタリウム体験で、心も体も癒されたことは間違いないようです。イタリアが大好きなのですが、歴史ある街並みや、美しい風景を楽しむならば、昼間の映像の方がいいかもしれません。