最近はよく「夢」を見るようになったような気がします。年齢を重ねて、夜中にトイレに起きることが増えたのも影響しているかもしれません。夢は眠りを浅くするのでしょうか?熟睡していないから夢を見るのでしょうか?夢を見ること自体の良し悪しも含めて、夢についてちょっと調べてみました。
そもそも「夢」とは何でしょう。脳は睡眠中にその日に見聞きした情報を整理しています。 脳の大脳皮質にはライブラリーがあって、記憶がジャンル別に整理されています。そのライブラリーに新たに記憶したり、記憶を削除したり、記憶を整理したりする際に、脳の中で再生されているのが夢です。つまり、 夢とは自分だけが見ることのできる「個人のドキュメンタリー記録」だと言えるでしょう。
私たちは睡眠中に「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」をそれぞれ4回ずついったりきたりします。「レム睡眠」中は脳の視覚野や感情を司る部分が働いているため「ストーリーのある夢」を見ますが、「ノンレム睡眠」中は「抽象的で辻褄が合わない夢」を見ることになります。つまり、人は一晩で8回ほど別々な夢の世界を旅しているのですが、残念ながら最後の夢以外は忘れてしまっています。「夢を見たことがない」と言う人は、最後の夢さえも見たことを忘れてしまったということです。
夢を見る理由については、多くの仮説が提唱されています。①一つ目は記憶の整理と統合です。脳は一日の経験や感情を整理し、重要な情報を長期記憶として定着させたり、不要な情報を削除する際に夢を見るというものです。②二つ目は感情の処理への関与です。強い感情やストレスを伴う出来事があると、脳がこれらを解消しようとして夢を見るというものです。③三つ目は人類の進化への対応です。夢を見ることで、事前に危険な状況をシュミレーションし、自身の生存率を高めているというものです。④四つ目は創造性の向上です。「レム睡眠」中には前頭前野の活動が低下するので論理的な思考が抑制され、夢の中では自由な発想や斬新なアイデアが生まれ創造性が発揮されます。
こうして考えると夢を見ることは自然なことで、睡眠の質に直接影響を与えていないことが分りましたので、ひとまず安心しました。それにしても、誰でも「毎晩8回もの夢の旅」に出かけているのであれば、それらを全部を覚えていれば「かなり楽しい脚本」をたくさん書けますね。
【参考HP】
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