100歳まで生きられます、「平均寿命」と「平均余命」

100のイラスト エッセイ

戦後50歳ぐらいだった日本人の「平均寿命」が、現在は男性79.6歳、女性86.4歳にまで伸びています。これによって、年金制度の行き詰まりや、長い老後をどう過ごすかなどについて盛んに議論がされています。身近なところでも、80歳を大きく超えて90歳になっても元気な方も多く見かけるようになりました。大体私たちは何歳ぐらいまで生きるのでしょうか。「平均寿命」は、その年齢を示しているのでしょうか。

「平均寿命」とは、生まれたばかりの0歳の人が、平均的に何年生きるかを示すものです。0歳以外の人には当てはまりません。それぞれの年齢の人が、平均的に何年生きるかを示すのは「平均余命」で、「平均寿命」とは異なります。40歳の人は生まれてから40年間亡くならずに生きてきました。当然のことですが、同じ時に生まれてこの40年間に亡くなった人は、寿命が40歳未満だったことになります。現在40歳の「平均余命」は、すでに亡くなった方を除いて計算しますので、40歳の「平均余命」は、寿命が短かった方も含む「平均寿命」よりも長いことになります。具体的に見てみましょう。

年齢平均余命男年齢平均余命女年齢
平均寿命0歳 -79.6 -86.4
平均余命20歳60.180.166.886.8
  〃40歳40.880.847.287.2
  〃60歳22.882.828.488.4
  〃70歳15.185.119.589.5
  〃80歳8.688.611.691.6
  〃85歳6.291.28.393.3
  〃90歳4.494.45.895.8
  〃100歳1.9101.92.4102.4
主な年齢の平均余命(平成22年) 出典:厚生労働省

年を重ねるにしたがって、平均余命を基に計算された寿命は徐々に延びて行きます。例えば男性の60歳の方は平均余命が22.8歳ですので82.8歳まで生きることとされますが、80歳時点の平均余命が8.6歳ありますので88.6歳までは平均的に存命している可能性が高いとされています。その前の85歳時点で平均余命は6.2歳ですので91.2歳まで生きるはずですし、90歳になると平均的に94.4歳まで生きるということですので、多くの方々がこれぐらいまでは行けることになります。

年代別の平均余命を辿っていくと、95歳前後までは平均的に生きる時代になっているようです。もちろん途中に、事故や病気により不幸にして亡くなられる方もおられると思いますが、いっぽう幸運な方は平均余命(年齢)を超えて、100歳まで生きることも不思議ではないようです。

また、健康寿命という概念があって、健康に過ごせる期間は寿命より短くて男性で8年、女性で12年が寿命より短いといわれています。長い寿命とともに健康寿命を手に入れるためには、食事や運動とともに、特にストレスを感じない快適な生活環境と精神環境を整えることが大事だといわれています。人生100年を元気に過ごしたいと思います。

《参考資料 HPリンク》

厚生労働省HP 主な年齢の平均余命

ニッセイ基礎研究所 平均寿命と長生きの年数