若者の素早い行動と優しさに、心が動いた日

ベビーカーにスペースを譲る女子学生 日常生活
日常生活

住宅街の中規模スーパーに行った時のことです。地下に駐車場があって、1階には食品売り場、2階は物販店で、3階にはベビー用品店と100円ショップが入居しています。地下の駐車場に車を止めて、3階のお店に行こうと、閉まりかけていた小さなエレベーターに急いで乗り込みました。中には女子中学生とその妹がいて、スマートフォンを手にしていますが、マナーよく静かに立っています。

エレベーターが1階に止まり、扉が開くとベビーカーを押す若いお母さんが待っています。次の瞬間、その中学生が間髪入れずに声をかけました。「上ですか? じゃ、降ります。ベビーカーが優先です。」そう言うや否や、自分たちのスペースを譲り、妹を連れてすっと外に出ていきます。動作に迷いがなく、しかも自然な振舞いでした。

私はその一部始終をわずか数秒で見届けながら、胸の奥がじんわりと温かくなりました。と同時に、少しの恥ずかしさもこみ上げてきます。扉の近くにいたのは私だったのに、言葉をかけるのも、真っ先に場所を譲るのも、その若い子たちの方だったからです。

年齢を重ねるほど、考える癖が増えるのでしょうか、「上に行くのかな、下に行くのかな?」「動いた方がいいのかな」・・・そんな逡巡が一瞬の行動を鈍らせてしまう。というのは言い訳になってしまいます。彼女の動きには計算も逡巡もなく、ただ「相手を思いやる」という反射で体が動いていました。そこに礼儀とか教育とかを超えた、真のやさしさを感じました。

「最近の若者は…」と嘆く声をときどき耳にしますが、今日見た光景だけで、そんな言葉はもう口にできません。あの中学生の素早い行動とひと言が、エレベーターという小さな箱の中で、社会の未来を少しだけ明るく映したような気がします。