馴染みの理容室、顔剃りと雑談

理容室イメージ 剃刀 エッセイ

月に一度は散髪に行きます。髪が伸びるのでやむを得ず行きますが、母に連れられて小さな子供のころから、もう何十年と続いている行事です。転居を繰り返しているので、幼馴染みの店というわけではありませんが、それでもしばらく通って仲良くなると話も弾みます。ほかのお客さんで知っている人の話が出てきたりして、地域の情報が漏れ聞こえてくる「情報屋」の一面も持っています。

定期的に通うことと、気楽に話ができる環境だから、情報も集まってくるのでしょう。病院でしたら具合が悪くならないと行きませんし、体調がすぐれないので話も弾みません。歯医者に至っては、口の中に手が入っているので、話もできません。そのほか、例えばメガネ屋さんも街に溢れていますけど、眼鏡は数年に一度買えば十分ですよね、なかなか馴染になる頻度で訪れることはありません。

男性が使う理容室と、女性が多く使う美容室との違いは、皆さんよくご存じですよね。大きな違いは、カミソリを使っての「顔そり」ができるかどうかです。それぞれ理容師法と美容師法で業務内容が規定されていて、施術には国家資格が必要です。理容室で使う特殊な一枚刃のカミソリは、うぶ毛まで剃れますし、古い角質まで取り除くことができます。髭ばかりでなく、額や目の周り、眉の整え、耳の周りのうぶ毛なども剃ってくれるので、施術後は「少し顔がシャキッとしたような」気がします。

理容室では、さまざまなヘアケア用品が使われています。頭皮と髪に良いとされるスカルプシャンプーや、ヘアケア効果のあるドライヤー、抜け毛を防ぐ育毛剤など、理容室での雑談から興味をもって使い始めた商品もたくさんあります。理容室でベビーパウダーを首まわりにつけるのは、首に付いた髪の毛を落とすためですが、そのサラサラ感が気に入って、毎日からだのあちこちを「ポンポン」とサラサラにしています。ハンドクリームを使い始めたのは、この理容室がお客さんに「お年賀」として配った商品を、気に入ったからです。

ヘアカットと顔そりで身綺麗になり、ヘアケア用品の最新情報を仕入れ、ご近所さんの雑談などを楽しみ、しかも途中ではマッサージまでしてくれるので、月に一度の息抜きになっています。最近は「ハイエンドバーバー」と言われる落ち着いた「個室」での施術や、「フェイシャルエステ」などもある高級志向のお店も人気なようですが、当面は「馴染のお店」に通おうかなと思います。