「忘れる」に対処する方法

中年の男性が1週間分の薬ケースを使っている。 エッセイ

あまり細かいことに執着しない性格なので、たとえば人との会話でもあまり大事ではないと思われることはすぐ忘れてしまうし、昨夜の話であっても、お酒でも飲んでいればほぼ間違いなく翌朝には忘れてしまっています。ですので記憶すべきことは必ずメモを取るのが習慣になっていて、常に手帳サイズのメモ帳をスケジュール手帳とともに持ち歩いていますし、メモ帳がない時でもスマホの「メモアプリ」や「ラインのKEEP機能」を活用してメモを取っています。「多機能メモツール」として2008年にサービスが開始されてたEvernote は、あらゆる記憶を自分の脳から追い出して、その中に置いておける自分の脳の外部記憶装置みたいなものなので、初期のころから有料会員となって活用しています。

ところで、最近は健康状態の維持のために薬を服用する機会も増えてきました。毎晩服薬しなくてはいけないのですが、夕食時にはお酒が入ることもあり、会話の内容でさえ忘れるくらいですから、薬を飲んだかどうかなど覚えているはずもありません。毎朝、「薬飲んだっけ?」と首をかしげることが続きます。そのとき思いついたのが「1週間分の薬ケース」で、早速「100円ショップ」で買ってきました。4列×2列の8マスあって、ひとマスごとに曜日が表示されていて、余りのひとマスは予備のストックスペースです。透明なプラスチックケースですので中身の有無は一目瞭然です。これはなかなかの優れもので、翌朝に昨日の曜日のマスを見てみて、中身がなければ服薬済み、入っていれば服薬忘れですので、朝に急いで服薬することになります。電池も年会費もいらない格安ツールですが、効果は絶大です。

物忘れや記憶力の低下が気になり出したときは、「100円ショップ」は強力な援軍です。ペンやメモの品揃えはもちろんですが、メモなどをピン止めする「コルクボード」も100円ですし、「カラー押しピン」は100ピースも入っていて100円です。ちょっとしたメモなどをピン止めして、記憶を頭から外に出すのは気分的にすごく楽になります。また、面白いところでは「園芸用のネームプレート」も、しっかりとしたものが30~40枚くらい入って100円です。このプレートの使い道は鉢植えの「植物名」だけでなく、暑さや寒さの「耐性」を書いて季節ごとに置く場所を変えたり、「乾燥」を好むかどうかを書いて水やりの頻度を考慮したり、「多年草」で来年また咲くのであれば冬枯れでも大事に育てる、などの情報をメモして鉢に差しておきます。一年を通じて花木の世話をしますので、その要点を鉢に表示しておけば管理が容易になります。

さまざまな細かいことを覚えておくことが苦手な私のような方は、どんどん「外部記憶装置」を活用されることをお勧めします。「メモ帳」やスマホやPCなどの「ITツール」が有益なのはもちろんですが、「100円ショップ」で売っている小さなグッズでも、工夫次第では大いに役に立つものもあるようです。自分で物事を記憶する束縛から脳を解放して、今を伸び伸びと、心を開放して暮らしてみてはいかがでしょう。