銀山温泉の大正ロマンあふれる木造建築と街並み

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銀山温泉夕景 温泉

「銀山温泉」は山形県の山奥に位置する大正時代の風情を色濃く残す温泉地です。川沿いには大正から昭和初期に建てられた木造の温泉旅館が軒を連ね、ノスタルジックな石畳の通りは、夜になるとガス灯が灯り幻想的な風景を見せます。

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銀山温泉

銀山温泉」の代名詞は夕暮れから灯るガス灯です。石畳の温泉街を柔らかく照らす光と、温泉街の中央に流れる銀山川雪化粧の景色が相まって、まさに絵になる風景が広がります。

銀山温泉ポスター JRの駅に掲示
銀山温泉 駅に掲示されていたポスター

温泉街マップ

「銀山温泉」は山奥にひっそり佇む集落で、規模はさほど大きくありません。30分もあれば温泉街の隅々まで歩いて回ることが出来ます。街の中央を流れる銀山川の両岸には温泉宿飲食店、お土産屋さんなどが立ち並び、上流の街はずれには「白銀の滝」が、下流の街はずれには「共同浴場しろがね湯」があります。

銀山温泉案内図
観光案内所でもらった案内図

街並み

湯元・能登屋旅館の前には大きな「木戸佐左ェ門」の看板が造られています。これは左官職人による鏝絵で、鳳凰と桐の装飾の中央に銀山開拓の祖の名が記されています。3階屋根から突き出た特徴的な望楼は談話室として利用されています。

大正時代に銀山川の氾濫によって温泉街は壊滅的な損害を受けましたが、昭和初期ごろには川の両岸に洋風な「木造多層建築」が立ち並ぶ、現在の景観に近い状態まで復興しました。

銀山採掘から温泉湯治へ

銀山開発は足利時代に始まり、江戸時代には「延沢銀山」として人口30万を数えるほど栄えましたが、銀採掘の減少とともに衰退していき、替わって川辺に湧く温泉が発見され、温泉湯治が盛んになってきました。とはいえ、街道から10km以上山奥にあるため長い間「秘湯」でしたが、1983年のNHK連続テレビ小説「おしん」の舞台になったことから、全国的にその名を知られるようになりました。

大正時代の銀山温泉
大正時代の銀山温泉

白銀の滝

白銀の滝」は温泉街の先、銀山川上流に位置し、落差22mの滝で上部で2手に分かれています。手前の方は水量が少なく糸状の滝が何本も重なりあい、奥の方は水量が豊富で迫力ある滝姿を見せ、周囲に水飛沫を上げています。

白銀の滝
白銀の滝 水飛沫がすごい

共同浴場しろがね湯

銀山温泉は「温泉宿」が少なく予約が取りにくいこと、価格が高いこともあり、多くの観光客は1~2時間の滞在で街並みを楽しみ、すぐに次の観光地に移動していくようです。のんびり共同浴場に入っていたのは私ぐらいでした。源泉温度66.5℃、含硫黄、ナトリウム、塩化物温泉、ph6.9、中性。

そば処 酒処 伊豆の華

街は小さくて、すぐにひと廻りできてしまいますが、バスは数時間に1本です。共同浴場でひと風呂浴びても時間を持て余しますので、「そば処、酒処 伊豆の華」で時間調整です。2階は落ち着いた雰囲気で、正面には左官職人による鏝絵がたくさん飾られている木造多層建物が見えます。

「そば処酒処伊豆の華」2階からの眺め
「そば処酒処伊豆の華」2階からの眺め

このお店は築140年の2階建ての古民家を再利用しており、天井の梁の造形や古材を贅沢に使用した内装が、昔懐かしいとともにモダンな印象も感じます。「銀山ハイボール」は、銀山温泉をイメージした写真映えのハイボールです。金粉入りのハイボールに、ガス灯を模したマドラーと、大正レトロなが添えられています。

実際のガス灯 アップ
実際のガス灯

まとめ

温泉好きの間でも必ず名前が出てくる「銀山温泉」ですが、どちらかというと「大正ロマン漂う景観」を楽しむ観光地としての人気が高いようです。多くの外国人観光客がバスで訪れて路地は人であふれますが、1~2時間もすると街は閑散として静寂の中で散策を楽しめます。共同浴場の施設は整備が行き届いているとは言い難く、お湯を楽しむのであれば、どこかの「旅館内湯」を使われた方が良いでしょう。(アクセス:山形新幹線「大石田駅」からバス40分)