ルーブル美術館はパリにあるフランス王立の世界最大級の美術館であるとともに、旧城郭、旧王宮の史跡でもあります。セーヌ川の右岸のパリ中心部に位置し、世界遺産に登録されている「パリ、セーヌ河岸」の一部となっています。そんなルーブル美術館についてご紹介いたしましょう。
ルーブル美術館とは
![パンフレット表紙](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/マップ表紙-900x455.jpg)
歴史
12世紀にフランス王のフィリップ2世が要塞として建設したルーブル城が起源です。その後歴代のフランス王の宮殿として使用されてきましたが、1682年にルイ14世がベルサイユ宮殿に移ったのちは、王室美術品の収蔵・展示場所となりました。1793年には美術館として正式に開館し、当初の収蔵品は絵画537点と、その他美術品184点でした。
![美術館地下、城壁の遺構](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/ルーブル地下_louvre.jpg)
現在の規模
紀元前から19世紀までの美術品38万点以上を収蔵しています。そのうちの美術品35,000点を総面積73,000㎡で展示しています。35,000点ということは、ひとつを10秒見るとしても寝ずに4日間が必要な展示品のボリュームです。展示室は403室あり、廊下の総延長は14.5kmで、階段は10,000段もあります。とても1日で回れる規模ではありません。世界で最も入場者が多い美術館で、年間800万人が訪れ、そのうち65%は外国人観光客です。3つのウイング、地上3階、地下2階の施設構成です。
![パンフレット 1階案内図](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/1階-900x420.jpg)
ガラスのピラミッド
1983年にミッテラン大統領の「パリ大改造計画」の一環として「大ルーブル計画」が進められました。建物の改築を行い、1989年には、673枚のガラスを用いた高さ21mの「ガラスのピラミッド」の新しいエントランスと地下ロビーが設けられました。
![中庭外観 ガラスのピラミッドのエントランス](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/ピラミッド外観-900x600.jpg)
![ガラスのピラミッド見上げ](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/見上げ-600x900.jpg)
逆さピラミッド
1993年には、地下のカルーゼル・ショッピング・モールに採光を兼ねる逆さピラミッドが完成しました。この時増設された地下入口により、従来の入場待ちの行列は解消されました。
![逆さピラミッド](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/逆さピラミッド-900x600.jpg)
内観
展示室入口
高い天井、ゆとりのある空間、深い奥行き、期待感が高まります。
![展示室入口](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/入口-1-701x900.jpg)
豪華な内部空間
歴代のフランス王の宮殿だったことが偲ばれる豪華な内部空間です。
![展示室内観1](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/ダウンロード-1-900x600.jpg)
![展示室内観2](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/ダウンロード-900x600.jpg)
カフェ
展示室の途中、階段脇にはカフェがありました。広大な展示室を巡る途中にカフェでひと休みして、時間をかけて鑑賞するのも良いかもしれません。
![展示室階段脇のカフェ](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/カフェ-900x600.jpg)
展示構成
1793年の開館当初は数百点の収蔵品でしたが、1800年代を通じて収蔵は増え、20,000点を超えるようになっていきます。現在は前述のとおり35,000点にのぼり、「古代ギリシャ・ローマ」「彫刻」「絵画」「古代オリエント・エジプト」「アフリカ・アジア・オセアニア」「イスラム」などに分類されています。
![展示構成 ウイングごとの整理 パンフレットより](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/展示品構成-897x900.jpg)
展示内容
サモトラケのニケ
動的な姿態と巧みな「ひだ」の表現が素晴らしい作品です。勝利の女神「ニケ、NIKE」にあやかって、スポーツメーカー「ナイキ、NIKE」が誕生しました。大理石像、高さ244㎝、紀元前200~190年頃。
![サモトラケのニケ](http://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/NIKE右からアップ-900x600.jpg)
大きな階段を上ったところに展示されています。空から船の舳先に降り立った情景を連想させます。
![階段上のサモトラケのニケ 遠景](http://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/NIKE遠景-561x900.jpg)
ミロのヴィーナス
足元からへそまでと頭頂部までの長さの比率は、1:1.68。へそから首までと頭頂部までの長さの比率は、同じく1:1.68の黄金比です。この像がルーブル美術館以外で展示されたのは、1964年に日本の国立西洋美術館と京都市美術館で行われた特別展示の時だけです。大理石像、高さ203cm、紀元前130~100年頃。
![ミロのヴィーナス](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/ミロ-592x900.jpg)
モナリザ
感情のみえない不思議な微笑み。肖像画でありながら背景は屋外の不思議。レオナルド・ダ・ヴィンチ、1503年、77cm×53cm、油彩、板。
![モナリザ](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/モナリザ-690x900.jpg)
その他代表作
ナポレオン1世の戴冠式
同じ絵の2作目がヴェルサイユ宮殿に収蔵されています。ジャック=ルイ・ダヴィット、621cm×979cm、油彩、カンヴァス。
![ナポレオン1世の戴冠式](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/戴冠式-900x579.jpg)
民衆を導く自由の女神
残念ながら絵画修復中でした。ウジェーヌ・ドラクロワ、1830年、260cm×325cm、油彩、カンヴァス。
![民衆を導く自由の女神](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/民衆を導く自由の女神1-900x665.jpg)
メデューズ号の筏
等身大で描かれた大きな絵画です。テオドール・ジェリコー、1819年、油彩、カンヴァス、491cm×716cm。
![メデューズ号の筏](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/筏-2-1-900x706.jpg)
まとめ
収蔵品のレベルの高さと収蔵点数の多さも世界最高レベルですが、12世紀に建てられた建物は王宮としても使用されていた素晴らしい史跡です。多くの観光客を捌くために現代風にアレンジされたガラスのピラミッドのエントランスなども、うまく全体調和が保たれています。美術史や個々の作品の背景などの知識を得たうえで、再度ゆっくりと鑑賞に訪れたいと思わせてくれる充実の美術館でした。
![エッフェル塔 夜景](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/エッフェル塔-616x900.jpg)
![凱旋門](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/02/凱旋門-718x900.jpg)