姫路城からの松山城。現存12天守のふたつをハシゴ旅

スポンサーリンク
松山城 旅行

姫路城」を見学したのちに、愛媛県の「松山城」を見に行くことにしました。姫路駅から「新幹線」で岡山駅まで20分。岡山駅から「特急しおかぜ」で松山駅まで2時間40分です。「名城つながり」の、瀬戸内海沿岸を進む車窓を楽しむ列車旅です。

スポンサーリンク

「現存12天守」とは

現存12天守」とは、日本の城の天守のうち江戸時代以前に建設され、現在まで保存されている天守のことを言います。このうち国宝に指定されているのは姫路城、松本城、彦根城、犬山城、松江城の「国宝五城」。これら以外は松山城、弘前城、丸亀城、高知城、備中松山城、宇和島城、丸岡城の「重要文化財七城」です。

現存12天守日本地図位置図
現存12天守、位置図

松山城

松山市中心部の勝山山頂に建つ「松山城」は、加藤嘉明が1602年(慶長7年)から約25年の歳月をかけて築城しました。1784年(天明4年)に天守群が落雷で焼失しましたが、1852年(嘉永5年)に連立式天守で再建され、その建造物が現存しています。

松山城 空撮
松山城

松山城がある勝山は市内中央に位置し、西に「JR松山駅」、南に「伊予鉄道松山市駅」、東に「道後温泉」がある位置関係です。勝山の標高は132mで天守は更に約30mの高さがありますので、昔から松山城天守は存在感のあるランドマークとして、地域に親しまれてきました。

松山市内マップ
松山市内マップ

山頂には本丸広場と天守群があり、南西の山麓に二の丸、三の丸が配置されています。現在は東側の東雲口から、ロープウェイとリフトでアクセスすることも出来ます。

松山城 ロープウェイ、リフト
松山城のロープウェイとリフト
松山城 配置図
松山城。山頂の本丸と、山麓の二の丸、三の丸

山頂の本丸は南北に長く、南側のロープウェイ山頂駅から本丸北端にある天守群までは、徒歩で約10分程度かかります。

本丸配置図と、二の丸史跡庭園

本丸広場からの眺め

あいにくの雨模様でしたが、天守のある本丸広場からは松山市内を一望できます。天気に恵まれれば西日本最高峰の石鎚山(1,982m)や、瀬戸内海対岸、佐田岬なども見ることができるようです。

松山城本丸からの眺め
本丸から見た松山市街

最初の門を越えたあたりで登城道が180度反転するなど、防御に厚い造りになっています。本丸入り口の南端から見ると、北端にある天守が雨に霞んで遠くに見えます。

松山城、本丸南端から北端の天守を見る
本丸南端大手門跡から見た天守

天守構成

松山城の天守は三重三階地下一階の構造です。全国の「現存12天守」のうち最も新しい建造物ですが、創建時の桃山文化様式の築城術が忠実に再現されています。天守の構成は、天守・小天守・櫓を四方に配置し、渡櫓でつなぐ「連立天守」です。建物で仕切られた中庭ができるのが特徴で、厳重な防備手法として天守防衛の究極の姿とも言われています。これは「現存12天守」の中では、「姫路城」と同じ形態です。

松山城天守
本丸北端の天守。見学者入場口。

天守内部

天守は本来戦闘のための建物であることから、格子窓や狭間など防御の備えがある一方、床は板張りで天井板もないのが一般的です。ところが松山城は各階に天井板があり、畳を敷ける構造にもなっており、さらには床の間も設えられ、襖を入れるための敷居まであります。江戸時代後期に再建された相対的に新しい天守であり、泰平の世の建築であるため、このような居住性が高い天守としたのでしょう。

天守内観
天守内観
天守から本丸広場を見る
天守から見た本丸広場

ライトアップ

松山城は毎夜、日没から夜11時までライトアップされています。夜空に浮かび上がる天守や、迫力ある石垣など、幻想的な雰囲気を市民はいつも親しみ、楽しんでいるようです。観光案内所でお世話になった係の方も「一番のおすすめは松山城です!」と断言されていました。松山のシンボルとして市民の間に定着しているようです。

松山城ライトアップ
松山城天守ライトアップ

松山城HP

松山地域情報

アクセス

松山に列車でアクセスするには、岡山駅と松山駅結ぶ「特急しおかぜ」を使うのが便利です。岡山駅を出て約20分の児島駅を過ぎると「瀬戸大橋」を渡ります。

瀬戸大橋を渡る車窓風景

四国に渡っても、瀬戸内海の海岸線を進みますので海近くを走ることもあり、瀬戸内の島々を間近に見る楽しい車窓の旅となります。

瀬戸内海岸線を走る車窓風景

観光案内所

JR松山駅に着いてすぐに「観光案内所」に立ち寄りました。駅の改札のすぐ脇にあって、とても親切に対応していただきました。松山市内の路面電車は環状線と、そこから道後温泉に向けての支線があり、方向によっては分岐点で乗り換えが必要になるけど「乗り換えです」と言うことで、乗換券をくれて追加料金なしで乗り換えられることなどを教えてくれました。そのほか、夕食に出かける繁華街のことや、松山城、鯛めし、空港リムジンバスなど、地図や資料で要領よく教えてくれます。

松山駅改札脇の観光案内所
駅の改札脇の観光案内所

名物料理

松山を象徴するローカルフードのひとつに「かめそば」があります。昭和の名店「かめ」の「焼きそば」は、松山の人々に愛され「 かめそば 」 と呼ばれていましたが、「かめ」は惜しまれつつも閉店し「かめそば」は幻となりました。その「かめそば」が、元祖直伝のレシピを受け継いで「 かめそば じゅん 」 として蘇っているのです。「 かめそば じゅん 」は、「大街道」いわゆる松山の繁華街のど真ん中にあります。

かめそば じゅん 外観
「かめそば じゅん」外観

まずは、おでんで軽く一杯飲むことにします。おでんは一つ150円で、お好みでチョイスです。たっぷりの辛子には「みそ」が練りこまれていて、辛さの中に甘さがあるような深みのある辛子です。「豆腐のおでん」は、ハーフサイスで300円。かつお節ならぬ、鯵節(あじぶし)がマイルドな出汁感覚で、たっぷりのネギが載っています。

「かめそば」とは、ソース焼きそばでもない、中華あんかけ焼きそばでもない、他に例のない不思議な食感のアッサリ素朴なそばに、大量の鯵節とちりめんじゃこが載って出てきます。水分が飛んでいるので重くなく、お酒のつまみには丁度いいかもしれません。

店内には所狭しと「かめそば」のマスコミ取材の様子が掲示されています。地元に限らず全国ネットのテレビ取材もあったようですし、B級グルメとしての受賞歴も数多くあるようです。

カウンター内の女将さんと雑談していると、ご主人は警察の鑑識係を定年してこの店を開いて、すでに18年になるそうです。元祖かめそばのオーナーに気に入られて秘伝の調理法を受け継ぎ、現在も調理は奥の厨房で行い、スイングドアで手元を隠し秘伝の調理法を守っています。ご夫婦はとても仲が良く、四国のお遍路巡りにはご一緒に3回も行っているとのことです。ご主人によると「車で5日はかかる」と言っていましたが、それでも一日に十数カ所回ることになるので、かなりハイペースな「お遍路巡り」です。

かめそば 女将とご主人
カウンターの女将と奥厨房の御主人

かめそば じゅん HP

鯛めし、伊予かん

観光案内所では「鯛めし」を勧めてくれたのですが、なかなかゆっくりお膳を前にすることができず、帰りの空港の売店で買った「鯛めしのおにぎり」で済ませました。飲み物は同じく売店で買った「いよかんシューハイ」です。愛媛はどこに行っても「鯛」と「ミカン」ですね。

今治マフラー

空港の売店で「今治マフラー」が売っていました。江戸時代から木綿の産地として繁栄してきた今治は、今もコットン産業が盛んなようです。たくさんのカラーバリエーションのマフラーが、整然と陳列されているので思わず見入ってしまいます。飽きのこないシンプルなデザインで、どんな場面でも使えて洗うほど馴染んでくるというので、「グリーン」をチョイスして松山に遊んだ記念としました。

みやざきタオルHP

まとめ

岡山駅から松山駅までは2時間40分ですが、瀬戸大橋を渡ったり瀬戸内の景色を見ながら進むので、飽きずにあっという間に到着した印象です。松山空港までは市内の主だった場所からリムジンバスが出ていて30分前後で到着するので、思っていたよりもアクセスはいいのかもしれません。また機会を見つけて再訪したいと思います。

---------------------

姫路城に関する別の記事があります。ご興味のある方はお立ち寄りください。