湯河原温泉は、古湯・名湯が復活。落ち着いた大人の温泉地。

湯河原惣湯テラス 入口看板 温泉

湯河原」は、電車だと横浜から東海道線で60分で「熱海」のひとつ手前の駅になります。千歳川の谷に沿って古い風情の温泉街が続く関東でもっとも古い温泉地のひとつです。古くは万葉集にも詠まれていて、江戸時代には湯治場として賑わいました。明治以降は文豪にも愛され、国木田独歩、夏目漱石、島崎藤村、芥川龍之介、谷崎潤一郎らが訪れています。「傷の湯」とも言われ、特に外傷に効く湯として知られています。

湯河原温泉古地図
明治36年湯河原温泉風景図
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源泉宿ゆっくり

温泉そのものを楽しみたくて、また湯治宿スタイルの宿が好みなので「源泉宿ゆっくり」さんをチョイスしました。口コミでの評判も良く、リピーターも多いようです。「温泉場中央」バス停の目の前で、バス通りから一筋入った細い路地「湯元通り」への分岐点にあり、周辺にはいくつかの飲食店があります。大小さまざま、たくさんのタヌキさんに迎えられます。

源泉宿ゆっくり 外観

温泉は、敷地内の地下300メートルから汲み上げた自家源泉を毎日の気温に合わせて、源泉を出す外気取り入れ量、扇風機の送風のみで温度管理しています。文字通りの源泉かけ流し、無加水、無加熱、無循環です。毎日2回お湯を総入れ替えする泉質へのこだわりから、日帰り入浴は受け入れておらず、宿泊客の入浴時間は15時~24時と翌朝6時~10時の2回とし、ふたつの浴室をその都度男女入れ替えます。弱アルカリ性(ph8.3)、低張性、高温泉(源泉温度59℃)、無色透明、無味(弱塩味)無臭。

源泉宿ゆっくり 浴室
浴室内部 正面タイル部の小さな器具が湯面を冷ます扇風機
源泉宿ゆっくり 脱衣室
脱衣室 古さはありますが小綺麗で清潔感があります

貸し間スタイルのお宿ですので、トイレと洗面は共同です。布団の準備と片付けも自分でやります。広縁部分には冷蔵庫があり、浴室前の自動販売機にはビールや炭酸水もありました。朝食はチェックイン時にオプションで注文することが出来ます。翌朝きめられた時間に1階の朝食処に食事が用意されており、ごはんとみそ汁は自分でよそっていただくスタイルです。

源泉宿ゆっくり 広縁付き和室
広縁付き客室
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惣湯テラス

惣湯テラス」は、落合橋のバス停から山に広がる万葉公園の中にあります。「玄関テラス」から千歳川沿いの散策路を進むと「惣湯テラス」が見えてきます。

万葉公園 惣湯テラス マップ

惣湯テラス」のコンセプトが「Books&Retreat」ということで、の中で温泉に浸かり、で満たされ、を楽しむための非日常の空間です。混雑を避けるため滞在時間ごとの予約制で、食事付きと食事なしの二つのコースが用意されています。館内では全員がゆったりとした館内着で過ごし、静かな時間を大切にするため、小学生以下の利用は制限されています。

惣湯テラス 外観
総湯テラス正面

浴室は2か所あり、ひとつはメインのダイニング棟から渡り廊下でつながる「大浴場」です。こちらは男女別で自由に利用することができます。もう一つは散策路を少し上ったところにある「奥の湯」で、こちらも男女別ですが、各々1組ずつが予約してから利用します。予約表はダイニング棟の出入り口付近にあり、20分単位の希望時間枠に記名してから利用する方式です。

惣湯テラス 大浴場
大浴場
惣湯テラス 奥の湯
奥の湯
惣湯テラス ダイニング棟 ライブラリーからの眺め
惣湯テラス ダイニング棟 2階ライブラリーからの眺め
惣湯テラス ダイニング棟 ライブラリー
ライブラリー 蔵書の一部を定期的に入れ替えて展示している
惣湯テラスに向かう渓流沿いの散策路
玄関テラスから惣湯テラスに向かう渓流沿いの散策路
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こごめの湯

こごめの湯」は、町営日帰り温泉施設で、男湯と女湯それぞれに露天風呂と大浴場があり、また食堂や無料休憩室もあるため一日ゆっくり過ごすことができます。1,200年の歴史を誇る源泉は、身体を芯から温め、心と身体にじんわりと効いてきます。弱アルカリ性(ph8.4)、無色透明、弱塩味無臭。

こごめの湯 露天風呂
露天風呂
こごめの湯 食堂からの眺め
食堂からの景色
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飲食店

宿泊した「源泉宿ゆっくり」では夕食の提供がありません。周辺に飲食店があるのかどうか、また街の雰囲気もわからなかったので、今回は宿の目の前にある評判の良いイタリア料理店「チャーリーズ」を予約しておきました。実際に現地に行ってみると、周辺にはそこそこ飲食店はありまして、温泉街というほど集積はしていませんが、事前にある程度見当をつけておけば「夕食難民」になることはなさそうです。

「湯河原駅」から「温泉場中央」まではバス10分程度ですし、便数も概ね15分おきに出ていますのでバスでの移動も視野に入れるとお店の選択肢は広がります。「湯河原駅」と「温泉場中央」の間は、「宮上エリア」と呼ばれており、概ねその3エリアで良さそうな飲食店をピックアップしてみました。

湯河原エリア 観光マップ

温泉場中央付近

チャーリーズ (湯河原観光HP)・・・小さなお店だということで予約してからお伺いしました。ご夫婦で切り盛りしている感じの良いお店です。個性的なイタリアンリーズナブルな料金で楽しめます。

酒葉 (湯河原観光HP)・・・チャーリーズでの食事のあと、すぐ目の前のカウンター8席程度の小さな居酒屋に立ち寄りました。宮崎出身の女将が埼玉での子育て終了後、湯河原に移り住んで開業したばかりで、会話も弾み楽しい時間を過ごしました。「お任せ酒肴と2杯のドリンクがセット(3,300円)」の一択で、旬のつまみが出て、好きなお酒をチョイスできます。

食事処 かとう (湯河原観光HP)・・・「酒葉」は、バス通りから一筋入った細い路地「湯元通り」にあるのですが、その少し先に昭和レトロの雰囲気漂う「食事処かとう」があります。その隣はお肉屋さんで、同じオーナーだそうでお肉の鮮度、価格は申し分ないようです。

宮上エリア

鳥助 (湯河原観光HP)・・・鳥助ではブランドの地鶏を独自の手法で熟成させ、備長炭で焼き上げる焼き鳥屋です。釜めしや自家製豆腐、たたき、手羽揚げ、牛すじ煮込みなども人気です。

よるのあじと (湯河原観光HP)・・・和の店構えで暖簾が掛かっているイタリアワイン食堂です。イタリアから取り寄せたハムやマニアックなチーズ、ワインに合うお料理、自家製パンが好評です。

蕎麦 ワタル (湯河原観光HP)・・・石臼挽きした自家製そば粉を手打ちした香り高い十割蕎麦がウリです。落ち着いたモダンな雰囲気のお店です。

ステーキハウス 西湘 (湯河原観光サイト)・・・老舗の肉屋直営のステーキハウスです。その日に仕入れた美味しい和牛をイタリア産の岩塩と青森産の大粒ニンニクで目の前で焼いて提供されます。

和食 うおたつ (湯河原観光HP)・・・魚屋さん直営の和食屋さんです。道路を挟んで魚屋とお食事処があり、しかも温泉地らしく「足湯」も楽しむことが出来るお店です。

湯河原駅周辺

割烹 しらこ (湯河原観光HP)・・・ミシュランガイドで星を取ったお店です。魚介類は仲買業者を通さずに漁港から直接仕入れ,野菜やおは福島の契約農家から調達しています。ランチが2,500円~、ディナーが5,000円~というリーズナブルなお値段設定です。

ステーキ 亜伊由 (湯河原観光HP)・・・1984年創業の歴史ある人気店です。上質なお肉がお手頃価格で提供されており、ステーキランチは800円~、黒毛和牛でも2,500円という価格設定です。

ちょっと高級店

calanques カランク (湯河原観光HP)・・・メニューを決めて素材を仕入れるのではなく、その日の新鮮な素材をシェフがベストな調理をするコース料理。客単価10,000~15,000円程度。

HERLEQUN BIS エルルカンビス (湯河原観光HP)・・・竹林に囲まれた瀟洒な空間と和食の技法で素材の持ち味を引き出すフレンチ。客単価10,000~15,000円程度。

RESTAURANT 圓 (湯河原観光HP)・・・森の中の隠れ家的な佇まい。四季に彩られる広い庭と素材を生かしたフレンチのお店。客単価10,000~15,000円程度。

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まとめ

湯河原」は、温泉の質はいいですし、自然にも恵まれ、町おこし的にお店などが再整備されていますが、賑やかすぎず落ち着いた大人の雰囲気で、とても気に入っています。地元の活動は活発で、夏祭りや花火大会、見番寄席や温泉落語など地域に根付いたお祭りや観光客向けのイベントなどが盛んです。また、山の奥に広がる奥湯河原歴史史跡四季の自然など、まだ訪れていない魅力的な場所もまだまだたくさんあるようです。「源泉宿ゆっくり」さんに逗留して、湯河原を満喫したいと思います。

湯河原温泉 公式観光サイト

湯河原町HP

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湯河原温泉「惣湯テラス」についての別記事があります。ご興味のある方はお立ち寄りください。

湯河原温泉「惣湯テラス」は、渓流、温泉、食、本の非日常体験
湯河原温泉は万葉集にも登場する古い温泉地です。2021年万葉公園内に「湯河原惣湯Books&Retreat」がリノベーションオープンしました。渓流が流れる緑地公園内に「森と温泉、食、本」をコンセプトに非日常の体験ができる施設が生まれました。