ロマンスカーの快適車内で箱根湯本へ 予約はネットで安く簡単にできる

小田急ロマンスカー70000形 趣味

都心から箱根湯本に向かうには、小田急ロマンスカーを使うと乗り換えなしの直通で行けるので便利です。久しぶりにロマンスカーに乗車してみると内装デザイン仕様が洒落ていて、車内が広々としてとても快適でした。その秘密を探るべく、ロマンスカーについて調べてみました。

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ロマンスカーの種類

現在運行されているロマンスカーは以下の4種類です。

GSE(Graceful Super Express)70000形

「箱根につづく時間(とき)を優雅に走る」ロマンスカーです。車体は赤色、先頭には展望席があるロマンスカーを代表する車両です。展望車両の前面は大型の1枚ガラスで、側面のガラスは高さ(天地)1mの連続窓です。車内では、現在位置情報や展望車両のライブカメラ映像を楽しむコンテンツが配信されています。2018年から運行しています。

小田急ロマンスカー70000形
70000形 出典:小田急HP ロマンスカーラインナップ
小田急ロマンスカー70000形 内装
70000形内装 出典:小田急HP ロマンスカーラインナップ

MSE(Multi Super Express) 60000形

東京メトロ千代田線との相互乗り入れに対応している特急車両です。シートの厚みを抑えた足元にゆとりのある座席です。ドーム型天井間接照明木目調のインテリアが広く落ち着いた空間を演出します。テーブルは肘掛けに収納され、傘掛けやカバン掛けのフックがついています。2008年から運行しています。

小田急ロマンスカー60000形
60000形 出典:小田急HP ロマンスカーラインナップ
小田急ロマンスカー60000形 内装
60000形内装 出典:小田急HP ロマンスカーラインナップ

EXEα(Excellent EXpress アルファ) 30000形

シャープスタイリッシュなデザインが印象的です。内装は、心地よさを感じるナチュラルデザインを採用し、直接・間接照明システムの組み合わせによって明るい雰囲気を演出しています。ヘッドカバーとシートの一部にはブルーを、壁や床には茶系を採用し落ち着きと上品さを兼ね備えた車内空間です。2017年から運行されています。

小田急ロマンスカー30000形
30000形 出典:小田急HP ロマンスカーラインナップ
小田急ロマンスカー30000形 内装
30000形内装 出典:小田急HP ロマンスカーラインナップ

EXE(Excellent EXpress) 30000形

ロマンスカーが観光だけでなくビジネスの足としても定着していることから、いずれの目的にもふさわしい洗練されたデザイン、快適性を追求しています。ロマンスカーの中で最も座席定員が多いことから、多くの通勤・通学客が利用する「ホームウェイ」のメイン車形として親しまれています。1996年から運行されています

小田急ロマンスカー30000形
30000形 出典:小田急HP ロマンスカーラインナップ
小田急ロマンスカー30000形 内装
30000形内装 出典:小田急HP ロマンスカーラインナップ
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デザイナー 岡部憲明氏

ほとんどの車両のデザインを建築家岡部憲明氏が担当しています。同氏は1947年生まれで早稲田大学卒業後フランスに渡り、レンゾ・ピアノとともにフランスやイタリアで活躍しました。パリの総合文化施設ポンピドゥー・センター関西国際空港のプロジェクトに参画しています。

岡部憲明氏は、2005年にMSE(60000形)の前身であるVSE(Vault Super Express 50000形 2005年~2021年)のデザインで初めて小田急電鉄のプロジェクトに参画しました。以来、2008年MSE(60000形)、2017年EXEα(30000形)、2018年GSE(70000形)と、現在運行されているロマンスカーのほとんどを同氏がデザインしています。

VSE(Vault Super Express) 50000形

2021年に引退したVSE50000形)です。Vaultとはドーム型天井のことで、建築家の岡部氏は居住性空間ボリュームに左右されるとして、2.55mの天井の高さを確保しました。を中心とした複合マテリアルで落ち着いた空間とするとともに、人にやさしいデザインをコンセプトとしてボルトナットは露出させていません。

小田急ロマンスカー50000形 岡部憲明氏 資料
VSE50000形車両 解説資料 出典:岡部憲明HP 車両デザイン

岡部憲明氏HP 車両デザイン リンク

デザインにおける工夫

車両編成

デザイナーがデザインすると聞くと、外装内装をデザインすることをイメージしますが、岡部氏は車両編成から始めました。全11両あった車両を10両とし、前後対称の構成として端部から3両目の3号車8号車カフェトイレ喫煙ブースパンダグラフなどの機能機構を集約することにより、他の車両天井高さを確保しました。

空調方式

室外機は床下に配置するとともに天井には吹き出し口を設置していません。車両内装側面からドームに沿って空調空気を吹き出して、ドーム中央でぶつかった空気が緩やかに降りて車内に行き渡るシステムを採用しました。

座席

座席は5度外向きに傾けてあるため、自然と外の景色を眺めることができます。座面や背もたれは人間工学に基づいて座りやすさと薄さを追求し、室内を広くすることに役立てています。座席の足は1本として足元のゆとりを生み出しています。

岡部憲明氏HP 資料

岡部憲明氏HP 車両デザイン リンク

ロマンスカー
小田急ロマンスカー70000形 岡部憲明氏 資料
VSE70000形車両 解説資料 出典:岡部憲明HP 車両デザイン
小田急ロマンスカー60000形 岡部憲明氏 資料
VSE60000形車両 解説資料 出典:岡部憲明HP 車両デザイン
箱根登山鉄道

箱根湯本から強羅まで行く箱根登山鉄道も岡部憲明氏のデザインです。

箱根登山電車 30000形 岡部憲明氏 資料
箱根登山電車 3000形車両 解説資料 出典:岡部憲明HP 車両デザイン
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まとめ

箱根湯本の温泉通いで小田急ロマンスカーを利用したところ、車内空間快適センス良くまとまっているのに感心しました。調べてみると、一流のデザイナーが見た目のデザインだけでなく、車両編成パンダグラフの位置、空調方式にまでこだわって、高い居住性人にやさしい空間を追求していたんですね。次回はGSE(70000形)の展望席を狙ってみようかと思います。

料金、予約

新宿から箱根湯本までは、運賃が1,270円、ロマンスカーの特急料金が1,200円です。インターネットで予約すると1,150円になります。展望席追加料金はありません。ネットでは会員登録しなくても簡単に予約できます。特急券は発券しなくても予約した席に座っていれば大丈夫です。ロマンスカー乗り場のホームでも自動販売機で特急券を購入することができます。

箱根湯本の日帰り温泉についての別記事があります。ご興味がある方はお立ち寄りください。