箱根湯本の「吉池旅館」は、三菱財閥の2代目社長・岩崎弥之助の別邸を「吉池グループ創業者」が購入しました。当時の建物と庭園を残して旅館として整備、運営しており、日帰りで入浴と庭園散策をすることが出来ます。
三菱2代目社長・岩崎弥之助

略歴
岩崎弥之助は、三菱初代社長・岩崎弥太郎の弟です。性格穏やかな秀才で21歳の時にアメリカに留学しますが、父親が亡くなったため急遽帰国し、三菱商会に入ります。34歳の時に社長に就任し、事業の多角化を積極的に推進します。従来海運業中心であった社業を鉱山・造船・不動産・金融・倉庫などの拡げていきます。43歳で社長を後継に譲り、自分は相談役として経営を見守ります。その後貴族院議員・日銀総裁などを歴任し、57歳で逝去します。
| 1851年 | 嘉永4年 | 0歳 | 高知にて出生 兄・弥太郎とは16歳違い |
| 1872年 | 明治5年 | 21歳 | アメリカに留学 |
| 1873年 | 明治6年 | 22歳 | 帰国 三菱商会入社 |
| 1885年 | 明治18年 | 34歳 | 弥太郎逝去 社長就任 多角化を推進 |
| 1890年 | 明治23年 | 39歳 | 丸の内官有地107,000坪を購入 |
| 〃 | 〃 | 〃 | 帝国議会創立時に貴族院議員就任 |
| 1894年 | 明治27年 | 43歳 | 弥太郎の長男久弥社長就任 弥之助相談役 |
| 〃 | 〃 | 〃 | 丸の内に「三菱1号館」完成 |
| 1896年 | 明治29年 | 45歳 | 日銀総裁就任 金本位制の導入 |
| 1904年 | 明治37年 | 53歳 | 箱根湯本・岩崎別邸 「和館」完成 |
| 1908年 | 明治41年 | 57歳 | 箱根湯本・岩崎別邸 「洋館・庭園」完成 |
| 〃 | 〃 | 〃 | 逝去 |
箱根湯本・岩崎別邸
弥之助は、箱根には「富士山」と「芦ノ湖」「霊泉の湧出」があるが、人工の設備を欠いている。これらを整備すれば外国遊覧客が訪れ、国益に寄与すると考えて自らも別邸を整備しました。
和館
和館建築にあたっては最高水準のものを求めましたが、自らの贅沢のためではありません。世界に誇れる最高のものを、日本に根付かせるという思いによるものです。豪華さや派手さはありませんが、日本の美意識の侘び寂びが表現されたものとなっています。1904年(明治37年)に竣工し、現在も当時の姿を今に伝えます。



洋館
洋館は、鹿鳴館で有名なジョサイア・コンドルの設計により建築されます。当時の写真によると、石造りとハーフティンバーの外装、屋根にはドーマー窓が見えます。1階は来客用の施設でホール・食堂・ビリヤード室・客室などがあり、2階は居住用で寝室や日本座敷などがありました。1908年(明治41年)に完成しましたが関東大震災で倒壊し、復元されることなく現在は芝生広場となっています。

庭園
10,000坪の庭園は、大きな池を中心に散策できる園路が巡され、築山・池中の島・橋・名石などで各地の景勝などを再現した池泉回遊式庭園です。四季折々の美しさがありますが、特に春の桜と秋の紅葉は素晴らしいとされます。


庭園内の清廉な水は、すぐ横を流れる須雲川から取り入れた自然の清流で、池にはおよそ1,000匹の鯉が泳いでいます。


散策路はきれいに整備されていて歩きやすく、所々には藤の椅子やベンチが置かれていて、ゆっくりと庭園の風景に浸ることが出来ます。


散策していると、石塔や灯篭・つくばいなどを見かけます。作庭時に設置されたもので、和風庭園の趣を際立たせています。



吉池旅館
旧岩崎別邸は、吉池グループの創業者高橋与平氏が、1937年(昭和12年)に三菱4代目・岩崎小弥太氏から買い受け、4年後には旅館として生まれ変わります。当時の姿を伝える和館と庭園の見事な調和が評価され、1998年(平成10年)には箱根町第1号の登録文化財に指定されました。
茶室
吉池旅館は1987年(昭和62年)に、徳川十六代・徳川家達の茶室「真光庵」を譲り受け、旅館・庭園内に移築し保存しています。

源泉
吉池旅館には6本の自家源泉がありますが、そのうちの1本は敷地の庭園内に湧出しています。泉温は概ね43℃~80℃で、水素イオン濃度はph8.4程度、アルカリ泉・ナトリウム泉・カルシウム泉です。



お風呂
内湯
植物園のようなサンルームの大きな内湯です。長さは20mあり、一番奥の壁から滝のように源泉が流れ出ています。少々熱めの温泉ですが大きな浴槽全体に広がることで適温となります。また、奥の方は深くなっているので、立ち湯で温泉を楽しむことができます。

露天風呂
内湯とは少し離れた場所にあるので、一度衣服を着ての移動となりますが、野趣あふれる露天風呂があります。和風庭園の「山月園」を眺めながらの入浴となりますので気分は最高です。塀などの目隠しは設置されておらず、散策している人からは見えないように位置や距離が考えられています。露天風呂には脱衣かごがあるだけで、ロッカーも洗い場もありません。内湯のロッカーを利用して身軽に露天風呂に行くのがお薦めです。


まとめ
都心から箱根湯本までは、小田急ロマンスカーで85分です。そこから徒歩8分で「旧岩崎別邸」の見事な和館と庭園をゆっくりと散策し、さらにその庭園を眺める露天風呂に入浴することが出来ます。入場・入浴料は2,250円と若干高めですが、庭園を散策と入浴ができることを考えれば、リーズナブルだと思います。
じゃらん 吉池旅館 リンク-----------------
箱根湯本の日帰り温泉施設の別記事があります。ご興味のある方はお立ち寄りください。
三菱三代目社長岩崎久弥の茅町本邸についての記事があります。ご興味のある方はお立ち寄りください。
小田急ロマンスカーについての別記事があります。ご興味のある方はお立ち寄りください。
箱根湯本には吉池旅館以外にも日帰り入浴を受け入れている旅館6軒と日帰り温浴施設6軒があります。箱根湯本観光協会HPで紹介されていますのでご興味のある方はご覧ください。
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