肩こりを整体とストレッチで解消します。日本古来の伝統手法を用います。
肩こりの原因
NHKでも紹介された愛知医科大学の岩堀祐介特任教授によると肩こり原因は、「30代くらいから肩周辺の筋肉や腱のしなやかさが失われ、筋力や機能が低下すること」だそうです。腕の重みは片腕で5~6キロ。それを引き上げる筋肉の疲労や運動不足、肩の使い過ぎ、長時間の同一姿勢、悪い姿勢などが肩こりを起こしています。
肩こりの改善
正しい姿勢
【立ち姿】のポイント
立ち姿で注意するポイントは、次のとおりです。
- 膝を伸ばす
- おへその下に軽く力を入れて骨盤を立てる
- 軽く肩甲骨を後方にひき胸を張る
- あごを少し引く
- 頭のてっぺんが真上から引っ張られている感覚で背筋を伸ばす
【座るとき】のポイント
座るときに注意するポイントは、次のとおりです。
- 少し浅めに座り、背もたれにもたれない
- おへその下に軽く力を入れて骨盤を立てる
- 背筋を伸ばす
- 目線が20~30度下に向くように椅子の高さやパソコンの画面の角度を調整する
温めて血行を良くする
温めて血行を良くすることは、肩こりに有効です。
- ぬるめのお湯にゆっくりと入浴する
- 肩や首を冷やさないように冬はマフラー着用し、夏は冷房に注意する
整体の歴史
【整体】はそもそも五臓六腑を整える術として【整胎】と呼ばれていました。江戸時代には日本の武術と不即不離にありましたが、戦後米軍による占領政策によって武術とともに潰され、単なる【癒しの手法】にまで落とされてしまいました。
整体の地位を再び引き上げたのが野口晴哉(1911-1976)です。人間自らが持つ自然治癒力を引き出す心身両面のアプローチを行い、「気」を整えることや、「体癖」を12種に分類し、それぞれに適した体操を考案しました。
その後、野口整体の信奉者である三枝誠(1954ー)が、野口整体の思想を受け継ぎ、整体の技法と日常生活に役立つ健康法を開発しました。
また、同じく野口整体の思想の影響を受けた片山洋二郎(1950-)が、「気」、「呼吸」、「丹田」をキーワードに、日常生活の中での整体を提案しています。
整体オタクの「おすすめストレッチ」
ひざを左右に倒す
- 足を伸ばして仰向けに寝て、両手は体と直角の方向に伸ばす
- 両ひざを曲げてひざを立てる
- 両ひざを左右にゆっくり倒すことを反復する
簡単ですし、無理なくできます。実際にやってみると、徐々に体が緩んで柔らかくなりますし、体のゆがみや背骨が矯正されることが実感できます。徐々に体がほぐれていく気持ちよさから、筆者は100回ぐらい反復を繰り返しています。
真向法体操
真向法体操も古くから伝わる、4種類のシンプルなストレッチです。
- 床に腰を下ろし、ひざを曲げて開き、両足の裏を合わせる。そのまま上体を前に倒すことを反復する。
- 床に腰を下ろし、両足を伸ばしつま先を立てる。そのまま上体を前に倒すことを反復する。(きつい場合は片足のひざを曲げてもOKです)
- 床に腰を下ろし、両足を伸ばして股を開く。そのまま上体を前に倒すことを反復する。
- 正座をする。そのまま後ろに倒れる。約1分程度太ももの前部分が伸びることを実感する。
この真向法体操は、筆者が通っていた合気道の道場でも、準備体操のひとつとして使われていました。
まとめ
肩こりや腰痛は姿勢が原因となっていることが多いようです。姿勢そのものを注意することも必要ですが、整体やストレッチによって正しい姿勢を取れる身体を作ることが、根本的な解決となります。整体はかつては武道の一部とされており、単なる身体の調整だけでなく、気や呼吸法とも深い関係があります。日々の生活に整体やストレッチを取り入れて、すっきりとした毎日を過ごしてみてはいかがでしょう。