ルーブル美術館はパリにあるフランス王立の世界最大級の美術館であり、旧城郭・旧王宮の史跡でもあります。セーヌ川の右岸のパリ中心部に位置し、世界遺産の「パリ・セーヌ河岸」の一部を構成しています。建物自体が歴史的価値を持ち、世界的に有名な作品が多く展示されています。
ルーブル美術館とは

歴史
12世紀にフランス王のフィリップ2世が要塞として建設したルーブル城が起源です。その後歴代のフランス王の宮殿として使用されてきましたが、1682年にルイ14世がベルサイユ宮殿に移ったのちは、王室美術品の収蔵・展示場所となりました。1793年には美術館として正式に開館し、当初の収蔵品は絵画537点と、その他美術品184点でした。

現在の規模
紀元前から19世紀までの美術品38万点以上を収蔵しています。そのうちの美術品35,000点を総面積73,000㎡で展示しています。35,000点ということは、ひとつを10秒見るとしても寝ずに4日間が必要な展示品のボリュームです。展示室は403室あり、廊下の総延長は14.5kmで、階段は10,000段もあります。とても1日で回れる規模ではありません。世界で最も入場者が多い美術館で、年間800万人が訪れ、そのうち65%は外国人観光客です。3つのウイング、地上3階、地下2階の施設構成です。

ガラスのピラミッド
1983年にミッテラン大統領の「パリ大改造計画」の一環として「大ルーブル計画」が進められました。建物の改築を行い、1989年には673枚のガラスを用いた高さ21mの「ガラスのピラミッド」のエントランスと地下ロビーが設けられました。


逆さピラミッド
1993年には地下のカルーゼル・ショッピング・モールに採光を兼ねる「逆さピラミッド」が造られます。同時に地下入口を増設しましたので、従来の入場待ちの行列が解消されました。

内観
展示室入口
高い天井とゆとりのある空間・深い奥行きに期待感が高まります。

豪華な内部空間
歴代のフランス王の宮殿だったころの栄華が偲ばれる豪華な内部空間です。


カフェ
展示室を回遊する途中の階段脇にカフェがありました。広大な展示室を巡るには、カフェでひと休みしながら進む必要がありそうです。

展示構成
1793年の開館当初は数百点の収蔵品から始まりましたが、1800年代には収蔵品が増え20,000点を超えるようになります。現在は380,000点を数え「古代ギリシャ・ローマ」「彫刻」「絵画」「古代オリエント・エジプト」「アフリカ・アジア・オセアニア」「イスラム」に分類・展示されています。

展示内容
サモトラケのニケ
動的な姿態と巧みな「ひだ」の表現が素晴らしい作品です。勝利の女神「ニケ・NIKE」にあやかって、スポーツメーカー「ナイキ・NIKE」が誕生しました。大理石像、高さ244㎝、紀元前200~190年頃。

大きな階段を上ったところに展示されています。空から船の舳先に降り立った情景を連想させます。

ミロのヴィーナス
「足元からへそまで」と「頭頂部まで」の長さの比率は、1:1.68。「へそから首まで」と「頭頂部まで」の長さの比率は、同じく1:1.68の黄金比です。この像がルーブル美術館以外で展示されたのは、1964年の日本での特別展示だけです。大理石像、高さ203cm、紀元前130~100年頃。

モナリザ
感情のみえない不思議な微笑みと、肖像画でありながら背景は屋外とする不思議な作品です。レオナルド・ダ・ヴィンチ、1503年、77cm×53cm、油彩、板。

その他代表作
ナポレオン1世の戴冠式
同じ絵の2作目がヴェルサイユ宮殿に収蔵されています。ジャック=ルイ・ダヴィット、621cm×979cm、油彩、カンヴァス。

民衆を導く自由の女神
残念ながら絵画修復中でした。ウジェーヌ・ドラクロワ、1830年、260cm×325cm、油彩、カンヴァス。

メデューズ号の筏
等身大で描かれた大きな絵画です。テオドール・ジェリコー、1819年、油彩、カンヴァス、491cm×716cm。

まとめ
12世紀に王宮として建てられた歴史的建築物を美術館として活用しています。現代風にデザインされたガラスのピラミッドのエントランスなども、不思議と調和が保たれています。収蔵品のレベルは高く、地域・種類・時代も多岐にわたります。美術史や個々の作品知識を学んだうえで、再訪したいと思わせる魅惑の美術館です。ルーヴル美術館は「建築歴史」と「芸術百科」を同時に体験できる唯一無二の存在と言えるでしょう。

