全国公衆浴場組合連合会によると銭湯の数は1968年の17,999軒をピークに2022年には1,865軒と約1割にまで減少しているそうです。株式会社楽久屋さんは、「温浴文化を通じて世界中の人々の生活を豊かにする」ことをコンセプトとして温浴施設を数多く展開していますが、銭湯再生にも取り組みその第1号店が大田区久が原の「COCOFURO ますの湯」です。さっそくご紹介いたしましょう。
COCOFURO ますの湯
アクセス、入り口
東急池上線の久が原駅改札のすぐ目の前に「COCOFUROますの湯」はあります。ビルの1階でポップなロゴマークが銭湯のイメージを超越しています。
システム、料金
入口の下足入れに靴を入れますが、珍しく100円リターン式ではありません。割と100円出すのが面倒くさかったりするんですよねー、助かります。コンパクトな入口の一角にはポップなロゴとともに注意書きが掲示されています。自販機で入浴券他必要なものを購入して中に入ります。浴室にはボディソープと、リンスインシャンプーは備え付けられています。サウナはなんと無料です。
フロント、ロビー
入り口を入るとすぐフロントです。コンパクトで機能的なフロントで、飲料・スナックのほかグッズも販売しています。
フロントの前には、ゆったりソファが10数台置かれています。一角には漫画本コーナーもありますのでゆっくりくつろげますし、待ち合わせしていても時間が気になりません。フロントではビールのほか飲料やスナックも販売していますので、湯上りのひと時を快適に過ごすことができます。
表彰状
休憩所の掲示板に表彰状が掲示されていました。「東京ゆらん」という天然温泉のシールラリーを企画している団体から表彰されたようです。「アットホーム」で「また来たい」銭湯でランクインしています。確かにその通りだと思います。
浴室
浴槽は内湯のみで、そのうちのひとつが天然温泉の黒湯です。正確には源泉温度が17℃ですので25℃未満の冷鉱泉に分類されます。もうひとつは炭酸泉ですが、この日はたまたまサウナの日ということで水風呂になっていました。
サウナ
銭湯料金(520円)で入場して、タダでサウナに入れるのはかなりお得ですが、狭いです。3人掛けが2段で6人しか入れません。狭いので扉の開閉で室内の温度が下がってしまいますので、下の段は寒い(?)です。上の段は熱気が溜まっていますので、通常のサウナの状態になっています。感覚的には上段が88℃、下段が86℃くらいでしょうか。サウナ入り口前にマットが6枚置いてありますので、マットがなければ満席ということになります。
サウナデーなので炭酸泉が水風呂になっていて、おそらく17℃くらいの心地よい水風呂です。サウナデー以外ですと、冷たい生源泉のつぼ風呂で身体を冷やします。黒湯(冷鉱泉17℃)がかけ流しでつぼ風呂に注がれていますので、豪快に溢れる源泉が贅沢です。これはひとつしかありませんので、サウナデー以外ですと冷水浴が順番待ちになってしまいますね。
屋外の外気浴はないのですが、浴室内に整いスペースとしてデッキチェアやベンチが比較的多く用意されています。
中華食堂 餃子酒場
COCOFURO ますの湯でもスナックなどは販売されていますが、しっかり食べたい場合は駅の反対側すぐにある「中華食堂 餃子酒場」がお薦めです。酒場というネーミングが飲み屋さんのイメージですが、普通の中華料理屋で中国人(台湾人?)の家族経営のお店のようです。
メニュー
餃子酒場というだけあって、メニューのトップはいろいろな種類の餃子のラインナップです。次のページは小皿料理で、どれも380円とリーズナブルな価格設定です。あとは普通の中華料理のメニューが一品料理、麺類、ご飯ものと続きます。定食などのセットメニューも豊富でした。
つまみ2品
餃子三種盛り合わせと小皿料理からトマトと豆腐和えをチョイスしました。餃子は手作り感満載で、具がパンパンに入っています。トマトと豆腐和えはレタスと玉ネギのみじん切りも相まってさっぱりと爽快な美味しさです。
魯肉飯(ルーローファン)
店に貼り出されていたメニューを見て即決した、台湾屋台料理の魯肉飯(ルーローファン)です。豚肉を甘辛い煮汁ごと掛けた丼です。煮卵を潰しながら豚肉と野菜とごはんを混ぜて食べると、もう最高です。食後の杏仁豆腐もサービスで付いてきました。
まとめ
楽久屋さんはその後も銭湯再生を手掛けられて、現在3店舗になっているそうです。ポップな雰囲気とともに、休憩室のソファや漫画コーナーなどを整備して、温浴とともに長時間の滞在やコミュニティの育成を図るなど銭湯文化の復権を目指しています。
COCOFURO ますの湯のサウナは、おそらく銭湯再生時に増設したので、6人用の小さなものしかできなかったのでしょう。集客のための設備を網羅しつつ、サウナ別料金までは取れない、という絶妙なところが、利用者にとっては大変お得な銭湯となっています。
東京の「銭湯」についての別記事があります。ご興味のある方はお立ち寄りください。