第2種電気工事士の資格があると、仕事で活用できるとともに、ご自宅でのDIY工事もできるようになります。筆者は、最近第2種電気工事試験に合格したところですので、技能試験の注意すべき重要ポイントに絞ってお伝えします。
工具について
工具については、「電気工事士試験用のセット工具」を通販などで手に入れるのが確実簡単だと思います。それに加えて追加で用意することがお勧めなのは「ラジオペンチ」です。電線をコンセントやスイッチに押し込む際に力が入らず押し込み不足にならないように使ったり、アウトレットボックスの中など狭い場所での作業で重宝しました。
もうひとつ便利な小物が「結束バンド」です。リングスリーブで3本、4本の心線を圧着する際には、わりと電線が暴れるので、手がもう一本(?)欲しくなります。そんな時に結束バンドで電線をひとまとめにしたうえで、両手を使って丁寧にリングスリーブを圧着しましょう。
【危ない!】引っ掛けシーリングの「重大な勘違い」
「引っ掛けシーリング」に結線するときのケーブル外装のはぎ取る長さの間違いに注意してください。
「引っ掛けシーリング」の場合は、ケーブル外装は約2センチはぎ取ります。その後絶縁被覆を5ミリ程度残してはぎ取り、心線のカットは絶縁被覆をペンチの丁番部分に引っ掛けペンチ幅の約12ミリでカットする。これが正しいやり方です。
ところが、「コンセント」「スイッチ」「電線同士」の接続だとケーブル外装を約10センチはぎ取ります。「端子台」「配線用遮断器」「ランプレセプタクル」などでは約5センチはぎ取ります。
ここから大きな勘違いが生じてしまったのですね。「引っ掛けシーリング」なのに10センチや5センチもケーブル外装をはぎ取ってしまう間違いが多いようです。ご存じの通り「引っ掛けシーリング」の場合絶縁被覆が5ミリ以上見えたら一発アウトです。
筆者が受験した技能試験本番のときでも、前の座席の方がこの誤りを犯していました。時間を残して余裕を見せていましたが間違いに気づいていないようでした。おそらく本人はなぜ落ちたのか分からなかったでしょう。
これは一発アウト❕
これが正解❕
練習のとき、筆者が犯したミス
筆者は独学でしたので、必要な工具とすべての課題をひと通り練習できる材料がセットになったものを通販で購入しました。そして13種類の課題をひとつずつ時間を計りながらやってみました。その際の間違ったポイントを順番に公開します。
- ケーブル切断の寸法誤り(No.1課題)
- 配線誤り(No.1課題)
- リングスリーブの刻印誤り(No.1課題、No.4課題)
- リングスリーブ圧着本数誤り(No.2課題)
- 2.0-2Cの絶縁被覆をはぎ取る際に、ケーブルストリッパーの1.6の場所を使い心線を傷つける(No.3課題)
- ランプレセクタブル絶縁被覆残し寸法の間違い(No.3課題)
- ケーブル1.6-3Cと2.0-3Cを間違って切断(No.4課題)
- スイッチへの電線押し込み不足(No.5課題)
いやいや、だいぶ間違っていますね! しかし、決定的な間違いはNo.5 課題までで終わっています。 徐々に慣れてきて間違いが減ってきているようですね。やはり繰り返し練習するのが大切みたいです。
練習中に気づいた【注意ポイント】
練習中にメモした注意ポイントやお役立ちポイントをご紹介しますね。
- リングスリーブは、1.6ミリ×2本は「極小」。8平方ミリ超は「中」
- パイロットランプは、課題No.2は「常時点灯」なので電源と並列。課題No.10は「同時点滅」なので電灯と並列
- 複線図に①線の色を記入する。W、B、Rなど。②ケーブルの太さ、種類を記入する。③リングスリーブの刻印、サイズを記入する。(No.4課題)
- ランプレセプタクル用の輪づくりをする際に、絶縁被覆から3ミリのところで心線を曲げる(No.5課題)
- 【絶縁被覆の残り寸法】ランプレセプタクル=2センチ。コンセント=1センチ。引っ掛けシーリング=5ミリ。
- 露出型コンセントに上下(天地)あり(課題No.6)
- 3路スイッチ0番は黒線(課題No.7)
- 施工条件忘れ。「埋め込み連用取付枠は、4路スイッチに使用すること」を失念(課題No.7)
- ゴムブッシングの内側、外側間違い(課題No.7)
- リングスリーブ絶縁被覆噛みこみに注意(課題No.8)
- 絶縁被覆にキズあり、注意(課題No.8)
いくつか大事なポイントもあるかもしれません。是非参考にして間違いをゼロにしていただければと思います。ところで筆者がノートに書きだした注意ポイントは課題No.8までで終わっています。 No.9課題からN0.13課題はノーミスでできたようです。やはり繰り返しの練習が大事なようです。
本番の試験時間は短い!
技能試験の時間は40分です。複線図を書く時間5分と最後の見直し兼予備時間5分を除くと正味30分で完成させなくてはいけません。さて筆者が練習した時は何分かかったのでしょう?
課題番号 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
所要時間 | 60分 | 39分 | 30分 | 36分 | 33分 | 32分 | 34分 | 32分 | 28分 | 27分 | 30分 | 26分 | 25分 |
初めてやった課題No.1は全然ダメでしたね。工具の使い方、寸法の取り方などがわからずに大苦戦です。しかも完成品は間違っていました!ケーブル寸法を測るのに「握りこぶしの10センチ」や「親指を立てた15センチ」などとすることで格段に速くなりました。ケーブルの寸法はあまり正確にこだわる必要はないようです。上記の所要時間を見てみますと課題NO.9あたりからは30分を切れるようになってきています。やはり繰り返しの練習が大事なんですね。
まとめ
13種類の課題を必ず1回はやる方がいいと思います。その際は時間を計ることをお勧めします。できれば2回、3回と練習できればいいのですけど、実技の練習は結構時間がかかります。ですので1次試験の合格が予想できたらなるべく早く「工具と練習材料がセットになったもの」を手に入れることをお勧めします。練習時間がたっぷり取れればそれだけ合格の確率は高くなると思いますので。
それと、怖いのは「勘違い」ですよね!「正しい施工」だと思って「一発不合格の施工」をしてしまっている可能性がゼロではありません。ここで記載した引掛けシーリングの絶縁被覆5ミリはかなり多くの方が勘違いしているのではないでしょうか。皆さん、練習の繰り返しと正しい施工方法の確認で合格を勝ち取りましょう!
第二種電気工事士試験に必要な工具や材料が、希望に応じたバリエーションでチョイスできるおすすめの通販です。
最近は技能試験実技の練習材料をレンタルする制度も始まっています。購入するよりお得で、使わない配線用器具や配線くずなども器具と一緒に返送すればよい手軽さです。一度検討してみてはいかがでしょう?