温泉旅館に行くとだいたい浴衣が置いてありますよね。普段洋服で生活していますけど浴衣を着ると日本人らしさを取り戻した気分になって、ちょっと非日常が楽しい気持ちになってきます。筆者は浴衣が気に入って自宅でも入浴後は浴衣を着用して、翌朝まで浴衣で過ごします。浴衣を着る時は下着を着けないので締め付けられず解放感をは抜群です。浴衣の起源や効用、帯の締め方、浴衣の買い方などについて整理してみました。
着物と浴衣は何が違う?
着物と浴衣の形状や構造、仕立て方は基本的に同じです。着物の種類には「単衣(ひとえ)」と「袷(あわせ)」がありますが、「浴衣」は裏地のない単衣で綿などの生地で作られているカジュアルなシーンに適した「着物」のことです。「浴衣」は平安時代に蒸し風呂の際にやけど防止に着た「湯帷子(ゆかたびら)」が起源とされています。吸水性や通気性の良い「湯帷子」は次第に風呂から出たあとに着るものとなり、就寝の際にも使われるようになりました。江戸時代になると涼しくて快適な「湯帷子」はだんだんと外で着る夏用の普段着として庶民に親しまれるものとなりました。
着物、浴衣の効用
着物を着て帯を締めることによって自然と「腹が据わり」、「背筋が伸び」、「胸を張る」ことができます。着物を着ることの効用は、ひとつ目が、帯がコルセットの役割をして楽な姿勢を維持することにより緊張の緩和、肩こり・猫背の解消につながります。ふたつ目が、帯で支えられた身体は自然と胸筋や背筋が鍛えられるので体幹が強くなります。日本舞踊の名取さんの立ち姿などは美しいですよね。三つ目が、内臓下垂の予防につながります。姿勢が悪いとどうしてもお腹が垂れて内臓を圧迫してしまいます。良い姿勢は内臓の位置を正して働きを活発にし、ひいては身体全体を好調にします。
帯を締める位置、帯の結び方
洋服のベルトの位置はウエスト、「お腹」の位置にしますよね。ところが男性の着物の場合は、帯はおへその下、「腰」で締めます。古来日本では武道ではもとより、能、日本舞踊、茶道などの文化道などにおいても「腰」は非常に重要視されてきました。筆者が通っていた合気道の道場では、へそ下三寸を「臍下一点(せいかのいってん)」と呼び、その場所を大事にしていました。まさにその位置「おへその下9センチ」に帯を締めます。
帯の結び方は「貝の口結び」だけを覚えれば大丈夫です。かっこいいですし普通の蝶結びに比べると解けにくくておすすめです。旅館などで浴衣を着る際も「かっこよく」て周囲の皆さんの注目を浴びると思います。一番わかりやすい動画を下に紹介します。
着物や浴衣の着方のコツは、前で合わせたときに内側のすそ部分が前から見えないように、「内側のすそをちょっと持ち上げる」ことと、帯は「貝の口結び」で「へそ下9センチ」で締めるの3点です。かっこよく着物を着こなしましょう。
浴衣を着るときに下着はつける?
浴衣は入浴後に着ることが多く、下着を着けずに素肌にそのまま着る方もおられると思います。パンツをはかずに、ゴムでお腹を締め付けないことは健康にいいと、医学博士の丸山淳士氏は主張しています。『脱パンツ健康法~ゴム紐以前は人はもっと元気だった~』という著書によるとゴムで締め付けられるストレスから解放することにより、様々な身体の不調が改善されるそうです。筆者も風呂上がりに浴衣を着る際には下着を着けず、そのまま就寝するようになりました。心が解放されることは間違いないと思います。
浴衣の上に、単衣(ひとえ)、褞袍(どてら)
夏の浴衣は気持ちいいですが季節が秋に移ってくると浴衣だけでは寒くなってきます。そんなときはポリエステル製の安価な単衣(ひとえ)を浴衣の上に重ねて着ることで、春秋の中間期を快適に過ごすことができます。浴衣と単衣を重ねて着て、二枚一緒に帯で締めます。さらに季節が進み、冬になりましたらその上に褞袍(どてら)を着ます。褞袍(どてら)とは綿入り袢纏ともいい、冬に着る綿入りの袖付き防寒着ですので布団をしょっているかのように暖かいです。
まとめ
着物ライフを始めるには、まず入浴後のリラックスタイムと就寝時に浴衣を着てみることから始めてはいかがでしょう?必要なものは、まずは浴衣と帯、それに単衣(ひとえ)と褞袍(どてら)があれば一年中過ごせます。浴衣の解放感やどてらの暖かさは、非日常的な生活パターンやリラックスタイムを提供してくれるのではないでしょうか。入浴後に浴衣に着替えてオフタイム、翌朝仕事や勉強に向かうため洋服に着替えてオンタイムのメリハリのある生活はいかがでしょう。
メンズの、浴衣、単衣、帯、どてら、それぞれ単品のものを参考までに以下に掲示します。そこそこの品質で安価だと思われるものをチョイスしてみました。参考にしてみてください。