甲府周辺は東京からのアクセスも良く、武田信玄ゆかりの史跡や温泉も多いうえに、グルメでは「ほうとう」「馬刺し」「煮あわび」など魅力が尽きない地域です。今回はJR塩山駅が最寄りの「恵林寺」と「はやぶさ温泉」のほか、JR石和温泉駅徒歩10分の「深雪温泉」にお邪魔してきました。
武田信玄ゆかりの「恵林寺」
JR塩山駅からバスで10分ぐらいで恵林寺に着きます。恵林寺は1330年夢窓国師により開創され武田信玄の菩提寺としてよく知られています。
恵林寺赤門は織田信長による焼き討ちの後、徳川家康によって1606年に再建された当時のものが現存しており、国の重要文化財に指定されています。
1582年武田氏を滅ぼした織田信長の軍勢は、恵林寺にとどまっていた僧を含む全員を恵林寺三門に押し込め火を放ち、100名以上が犠牲になったといわれています。燃えさかる三門の上で住職であった快川国師が唱えたとされる言葉が「安禅不必須山水 滅却心頭火自涼」(あんぜんかならずしもさんすいをもちいず しんとうめっきゃくすればひもおのずからすずし)です。
正式な名称は「臨済宗妙心寺派乾徳山恵林寺」です。禅寺らしい簡素簡明でありながら、豪胆な印象の本堂です。
恵林寺の裏手に広がる庭園は、夢窓国師が作庭した池泉回遊式庭園で、国指定名勝に指定されています。
日帰り温泉施設「はやぶさ温泉」
恵林寺から徒歩5分程度のところに、日帰り温泉施設の「はやぶさ温泉」があります。以前は旅館だったようですが、現在は日帰り温泉施設に特化していて、温泉のほか大広間の休憩所で食事をとることもできます。また、別料金ですが個室を利用することもできます。料金は2時間700円、4時間1,300円となっています。
地下1,000mから毎分500リットルもの温泉が自噴しています。アルカリ性単純泉でph9.9ですので強アルカリ(ph10.0以上)に近い水素イオン濃度です。強アルカリは肌の角質を溶かす作用があり、泉質は刺激が少なく滑らかで、肌に優しい美肌の湯です。低張性の浸透圧ですので温泉の水分が体内に浸透しやすくなっています。
石和温泉駅の「深雪温泉」に再訪
JR塩山駅から甲府方面に4駅のJR石和温泉駅に向かいます。以前も利用したことがある「深雪温泉」に再訪です。
石和温泉駅
このあたりで最も温泉旅館が集積しているJR石和温泉駅ですので、駅前には温泉街のシンボル足湯がありました。石和温泉の温泉街としての歴史は比較的新しく、1961年(昭和36年)にブドウ畑の中から温泉が噴出したことが石和温泉の始まりです。
「深雪温泉」開湯当時の写真
1962年(昭和37年)に現在の深雪温泉の敷地内から温泉が噴出しました。深雪温泉「完熟の湯」の誕生です。それ以来毎分1,415リットル(ドラム缶7本分)の温泉を噴出し続けています。
深雪温泉外観
建物正面外観はリニューアルされて綺麗になっています。歴史の重みを感じる一枚板の看板と櫓の下には、常時源泉が流れていて自由に汲んで持ち帰ることができます。源泉の出口は比較的温度が高めで50℃くらいでしょうか、木製の樋を流れ落ちた右端では温度は下がり、ぬるくなっています。
深雪温泉のお湯とお風呂
弱アルカリ性単純泉で水素イオン濃度はph8.23の無色透明な柔らかい温泉です。51℃と36℃のふたつの源泉を利用して温度の調節を行っています。循環や加熱、加水、塩素殺菌などを一切行わない、完全な源泉かけ流しですので飲泉も可能です。
内湯と露天風呂のセットが三つあり、ひとつは有料の貸切風呂で残り二つは男女入れ替え制です。夕方19時に入れ替えますので、両方入るためには18時までのチェックインが推奨されています。
著名人のサインコレクション
深雪温泉のロビー廊下には著名人の来館記念のサイン色紙が掲示されていました。口コミで根強い人気が広まっているようですね。
山梨県のグルメは「ほうとう」「馬刺し」「煮あわび」
山梨県に来たら「ほうとう」ですよね、筆者イチ押しのお店を紹介します。
JR山梨市駅の駅前にある「歩成」さんです。かぼちゃをベースに秘伝の味噌とアワビの肝ペースト、京都の出汁を加えたスープを使った「黄金ほうとう」は「昇仙峡ほうとう味比べ」で3年連続1位を獲得しています。スタンダードな「黄金ほうとう」は1,300円で、煮アワビが入った「プレミアム黄金ほうとう」は1,900円です。これに馬刺し1,000円を注文すれば、甲州名産のほうとう、煮アワビ、馬刺しの3種類を制覇することができます。
山梨の「ほうとう」と深雪温泉についての別記事があります。ご興味のある方はお立ち寄りください。
日帰り温泉についての別記事があります。ご興味のある方はお立ち寄りください。