サフィール踊り子号は、東京と伊豆を結ぶ全席グリーン車の特別仕様の列車です。横に3席のグリーン車のほか、横に2席しかないプレミアムグリーン車、4人用、6人用の個室グリーン車、予約制のカフェテリアなどからなり、上質で快適な旅が演出されます。
サフィール踊り子号とは
伊豆半島へは、現在も40年を超す歴史を持つ特急「踊り子」号が1日4往復運行していますが、2020年から全席グリーン車の「サフィール踊り子」号が毎日1往復、臨時運転の列車が1日1往復、あわせて最大1日2往復運転されています。
サフィール(Saphir)とは、フランス語で「サファイヤ」を意味します。伊豆の海と空が織りなす美しさをサファイヤに重ね、「上質・高級で優雅な旅」を楽しめるようにと願ってこの名が付けられました。
![サフィール踊り子号外観](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/サフィールE261-RS2.jpg)
運賃、予約
料金は例えば東京~伊東間ですと、通常の踊り子号の乗車券と特急指定料金で約4,000円です。サフィール号のグリーン料金だと約7,000円、プレミアムグリーンですと約8,500円となります。伊豆急下田まで行きますと料金は概ねその1.5倍くらいになります。
サフィール踊り子号の予約は、個室を除き「えきねっと」から予約することができるようになりました。販売開始は乗車日の1か月前ですが、そのさらに1週間前から第一希望、第二希望を指定して事前予約することができますので便利です。
![サフィール踊り子号 路線図](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/路線マップl_pc-900x588.png)
車両編成
8両編成で、1号車がプレミアムグリーン車、2号車3号車が個室グリーン車、4号車がカフェテリア、5号車から8号車がグリーン車です。全席グリーン車の豪華な編成です。
![サフィール踊り子号車両編成](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/車両編成-900x518.jpg)
外観
車両はサフィールの名に相応しい深いブルーのボディと、全車両に設けられた天窓が特徴です。洗練されたカラーリングと角のないフォルムが目を引く外観となっています。デザインは工業デザイナーの奥山清行氏が担当しました。
![社フィール踊り子号 正面外観](http://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/サフィール正面-739x900.jpg)
車両側面にデザインされたエンブレムです。サファイヤぶら下がっているのがかわいいです。
![サフィール踊り子号エンブレム](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/サフィールロゴ-728x900.jpg)
1号車プレミアムグリーン車入口脇のエンブレムです。プレミアムグリーンの特別感が期待を高めます。
![サフィール踊り子号プレミアムグリーンエンブレム](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/プレグリーンロゴ-900x575.jpg)
内観
プレミアムグリーン車
1号車は、プレミアムグリーン車で落ち着いた上質な空間です。1+1の独立した座席が採用されているため車内のプライベート感が際立っています。シートはシェルに囲まれた形状となっており、座席には本革が使用されています。座席は電動でシェル内をリクライニングし、フットレストが起動するほか、手動ですがシェルごと車窓へ向けて回転することができるので、道中の風景を余すことなく堪能できます。ただ、通路側の座席を山側に回す分には問題ありませんが、窓側に回すと後部席窓側の方と目が合ってしまう位置関係となっています。
![プレミアムグリーン車内](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/1号車車内広角-713x900.jpg)
![プレミアムグリーン車内](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/1号車車内-689x900.jpg)
![プレミアムグリーン座席](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/プレミアムグリーン座席1-900x675.jpg)
座席のシェル部分上部にあるハンドルを握ると、シェルごと座席を回転することができます。
![プレミアムグリーン 座席回転ハンドル](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/回転レバー-900x857.jpg)
![プレミアムグリーン 座席回転ハンドル](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/革張りシート-675x900.jpg)
座席のひじ掛けにある電動リクライニングのスイッチと読書灯のスイッチです。シェルの中でリクライニングしますので、後部座席の方を気にすることなく使うことができます。読書灯はシェルの上部についています。網棚がないので、手荷物は前席足元にあるスペースに収納します。
![プレミアムグリーン リクライニング操作スイッチ](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/ひじ掛け電動リク-636x900.jpg)
![プレミアムグリーン読書灯](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/読書灯-669x900.jpg)
![プレミアムグリーン 手荷物置きスペース](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/足元荷物入れ-900x789.jpg)
運転席との境は透明になっていますので、前方の景色もよく見えます。トンネルの中を走る前方の景色はなかなか見る機会がなく、興味深いものでした。
![プレミアムグリーン 運転席眺望](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/運転席前方-774x900.jpg)
![プレミアムグリーン 運転席トンネル眺望](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/トンネル走行-900x866.jpg)
![プレミアムグリーン 運転席眺望](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/運転席-695x900.jpg)
個室グリーン車
2号車と3号車は個室グリーン車です。海側に個室が設けられ、山側を廊下としています。個室内にはテーブルとソファが設けられ、部屋タイプはテーブルを挟む4名室とテーブルを囲む6名室があります。
![個室グリーン 6人用](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/個室グリーン02-900x557.jpg)
![個室グリーン 4人用](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/個室車内-750x900.jpg)
![個室グリーン車両 廊下](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/個室廊下-708x900.jpg)
グリーン車
5号車から8号車は一般のグリーン車ですが、2+1列の座席配置としており、広々とした車内空間です。高い天井と天窓から差し込む光で車内は明るく開放感に溢れています。
![グリーン席](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/グリーン02-900x557.jpg)
カフェテリア
4号車はカフェテリアとなっています。車内はブラウンを基調とした落ち着いた空間で、通路を挟んでカウンター席とテーブル席に分かれています。専用アプリ「サフィールPay」で予約することにより利用できます。
![カフェテラス内観](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/カフェテリア02-900x557.jpg)
![カフェテラス内観](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/食堂車-605x900.jpg)
![カフェテラス内観](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/食堂車2-664x900.jpg)
デザイナー 奥山清行氏
サフィール踊り子号をデザインしたのは、工業デザイナーとして有名な奥山清行氏です。奥山氏はイタリアのデザイン会社でエンツォフェラーリのデザインに関わり、「イタリア人以外で初めてフェラーリをデザインした男」として話題となった人物です。その後自動車以外の鉄道車両、農業機械、眼鏡、時計など多くの工業デザインを手掛けています。
![エンツォ・フェラーリ](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/2003_Ferrari_Enzo_6.0.jpg)
![新幹線 E6](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/Series-E6_Z14_Komachi.jpg)
![新幹線E7](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/Series-E7-F19.jpg)
リゾート21
リゾート21は熱海から伊豆急下田までを結ぶ普通電車で、座席を海側に向けるなどの工夫を凝らしており、赤色のキンメ電車と黒色の黒船電車があります。全席自由席の普通電車で、通常は各々3往復程度運行されています。熱海から伊豆急下田までの伊豆急行線では、サフィール踊り子、踊り子、リゾート21、アロハ電車(ラッピングデザイン電車)など多彩な電車が運行されています。
![リゾート21 エンブレム](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/リゾート21タイトル-670x900.jpg)
![リゾート21 外観](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/リゾート21-706x900.jpg)
![リゾート21 内観 海を望む](https://inostage.blog/wp-content/uploads/2024/06/リゾート21車内-627x900.jpg)
まとめ
サフィール踊り子号は上質な空間が魅力ですので、是非一度は体験してみてはいかがでしょう?ただし、サフィール踊り子号は運行本数が限られていますので、ご移動の時間に合わせて片道はリゾート21などのローカルな電車を利用するのもいいかもしれません。伊東から熱海でしたら普通電車でも20分程度ですので車窓を眺めていたらあっという間に到着します。熱海からですと新幹線もありますし、東海道線でゆっくり、あるいはグリーン車を利用してリラックスして帰ることも可能です。
新宿から箱根に向かう小田急ロマンスカーの記事があります。ご興味のある方はお立ち寄りください。