温泉に長期滞在して湯治をゆっくり楽しむのは最高です。お湯そのものを楽しむほか、周りの街並みを散策したり、深い自然の中に身をゆだねることにより、日ごろの忙しさやストレスから解放されて心身ともにリフレッシュできます。湯治宿として有名な温泉宿と筆者が実際に宿泊した温泉宿を紹介します。
ランキング上位の湯治宿
青森県、酸ヶ湯温泉
酸ヶ湯温泉は、ランキング記事では常に1位か上位に入る温泉宿です。江戸時代からの湯治場で昭和29年には国民保養温泉地「第1号」に指定されました。名物のヒバ千人風呂は総ヒバ造りで160畳の広さの混浴大浴場で、ひとつの浴室に異なる4つの源泉があります。湯治棟のほかに旅館棟もあり全139部屋。旅館棟は2019年にリニューアルされたツインタイプで一泊二食で25,000円程度。湯治棟は2016年にリニューアルされていて一泊二食で15,000円程度。湯治棟の旧タイプ、トイレ洗面共同タイプだと一泊二食で10,000円程度。です(値段は目安、以下同じ)。青森駅からバスで1時間10分の八甲田連峰の西麓標高900mの高地に位置しています。送迎バスも1日2便あります。
首都圏からちょっと遠く、一泊二食とはいえ1日10,000円です。長期滞在するにはちょっと勇気が必要です。
岩手県、大沢温泉
1200年前に発見されたという大沢温泉は、宮沢賢治ゆかりの温泉宿としても有名です。旅館棟の山水閣は一泊二食で20,000円前後。湯治棟の湯治屋は一泊二食で6,000円前後、素泊まりなら3~4,000円です。素泊まりの場合は共同炊事場で自炊するか、食堂で食事をとることになります。そのほか売店やコインランドリーの設備もあります。大沢温泉には6カ所の温泉があって、個性あふれる温泉巡りが楽しめます。東北新幹線新花巻駅からバスで約30分。送迎もあります。
新幹線の駅からバス30分のアクセスの良さと、素泊まりで3~4,000円の安さは魅力です。ぜひ長期滞在で訪れてみたいと思う一軒です。
秋田県、玉川温泉
玉川温泉は十和田八幡平国立公園内にあり、水素イオン濃度ph1.1の日本一の強酸性泉を毎分9,000リトル湧出しています。泉質は放射能ラジウムを含んだラジウム泉でガンに効くとの評価も聞かれます。周辺の玉川温泉自然探求路では地中熱による天然の岩盤浴を楽しむことができます。宿泊は、一泊二食付きの旅館部が25,000~30,000円程度。自炊部は食事なしで10,000円程度です。アクセスはJR田沢湖駅からバスで70分です。
アクセスがあまり良くなく、料金が少し高めです。とはいえ日本一の強酸性の温泉に一度は行ってみたいものです。
泊まって自炊した おすすめの宿
別府、鉄輪温泉 大黒屋
鉄輪(かんなわ)温泉は地底からあふれる蒸気が街中に立ち昇り、まさに湯煙の街です。今回宿泊した大黒屋さんには食事付きの宿泊プランもありますが、庭先に設備された地獄窯で蒸し料理を自炊して長期滞在する方も多いようです。地獄蒸し料理は、自分で用意した食材をざるに入れて窯に載せるだけなので非常に簡単です。蒸気が常に噴き出しているので、見ているだけでも楽しくなります。共同の台所に冷蔵庫のほか包丁などの調理器具が用意されています。取り皿や箸、ポン酢や塩コショウ、薬味などは提供いただけます。素泊まりですと4,000円程度からです。
鉄輪温泉の大黒屋さんでの湯治体験を別のブログ記事で紹介しています。ご興味のある方は是非お立ち寄りください。
草津温泉、はなみづき
草津温泉で自炊ができる宿ははなみづきさんがおすすめです。ここは素泊まりのみで、食事は外食または持ち込みあるいは共同キッチンで自炊となります。部屋数は全部で5室で、お風呂も貸し切り風呂がひとつのこじんまりとしたお宿ですが、内装は2020年リニューアル済みで気持ちよく過ごせます。立地は草津温泉バスターミナルから徒歩1分で温泉街中心地の湯畑まで2分の好立地です。素泊まりで5,000円程度からです。
まとめ
ランキング上位の温泉の中では、岩手県の大沢温泉さんに興味深々です。素泊まり3~4,000円の安さに加え、自炊に疲れたら食堂と売店があるという安心感も魅力です。アクセスも良いですし、大自然の中でゆっくりと長期滞在したいと思います。
鉄輪温泉の大黒屋さんはまた訪れたいお宿です。鉄輪温泉の湯煙の街と地獄蒸し料理は他の温泉地では味わえない特別な魅力です。
草津温泉のはなみづきさんは、素泊まり専門のこじんまりとしたお宿です。ご主人の「草津温泉で少なくなってきた湯治と自炊の文化を守りたい」というお言葉に共感します。
草津温泉「はなみづき」さんで湯治滞在した時のブログがあります。ご興味のある方はお立ち寄りください。