ニューヨークの旅~②物価高、チップ文化、クレジットカードの普及

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タイムズスクエア夜景 旅行

ニューヨークの街に降り立つと胸が高鳴ります。林立する細い高層ビル、道路に溢れる車と激しく鳴り響くクラクション、タイムズスクエアは輝かしい電飾看板で埋め尽くされ、行き交う人々が道に溢れます。まるで映画や広告の画の中に入り込んだようで、旅の始まりは特有の昂揚感に包まれます。

タイムズスクエア夜景
タイムズスクエア
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ニューヨークの物価高

けれども、最初の夕食で現実に引き戻されます。ホテル近くのステーキハウスを予約していたので、カジュアルに食事をしようと二人で席につきました。飲み物はワインを数杯とウイスキーソーダ、前菜はシーザーサラダにオニオングラタンスープと牡蠣のグリル、メインはニューヨークサーロインとフィレ8オンス、サイドディッシュはアスパラとポテトの注文です。味は申し分なく、ボリュームは想像していた約2倍の量、サービスも丁寧で親切、とてもフレンドリーな対応でした。しかし伝票を見て思わず息をのみます。二人で380ドルにチップ70ドルを加えて合計で450ドル、つまり約7万円です。旅先で気が大きくなっているとはいえ、数字の迫力に思わず目を丸くしました。

軽い朝食を取ろうとホテル1階のスターバックスでテイクアウトすると、コーヒーが5~6ドル、サンドイッチが8~10ドルで、軽い朝食が二人で約5000円です。物価の高さに驚きつつも「せっかく来たのだから」と自分に言い訳をして支払います。旅という非日常が、こうした散財を正当化してくれます。しかし、ふと「これが日常だったら」と考えると、暮らす感覚を実感する前に、財布の痛みを先に感じることでしょう。

旅の思い出作りと、リーズナブル値段の夕食を取ろうと出かけたのは、TACOS屋さんです。立ち食いスタイルの人気店で、夕方行列ができていました。タコスはひとつ6ドル程度、コーラは4ドルですので、チップを入れても二人で4000円弱で納まります。とは言え、タコスとコーラで2000円ですから、ニューヨークの物価は日本人の感覚ではなかなか納得できません。

タコスとコーラ、立ち食い
タコス

そのためでしょうかマンハッタン在住の人によると、ロウアーマンハッタンの中華街は物価が安く、しばしばニューヨーカーも訪れるようです。お店で食べることもできますが、テイクアウトすることもでき、肉まんや餃子などは冷凍保存しておくと便利だと言っていました。

チップの文化

「チップはいくらにしますか?」とタブレットの画面に表示されたのは、「18%、20%、22%」の数字です。日本のように「お気持ちで」という余地はなく、どれかを選ばなければ決済自体が進まない仕組みです。文化だと頭では理解していても、チップが強制される感覚にわずかながら戸惑いを覚えます。

チップ(TIP)は17世紀のイギリスが起源だとされ、「To insure promptness(迅速性を保証する)」という文句の頭文字を取ったと言われています。アメリカではチップは必須とされ、レストランでのチップは通常15~20%とされています。チップが給与の一部とされている職種も多いため、渡さないことは失礼に当たります。一方、ヨーロッパでは最低賃金を改めることにより、義務的なチップを廃止する方向へ向かいつつあります。未だにサービスのお礼としてのチップは残っているものの、チップの金額に決まりはありません。

クレジットカードの普及

お金を支払う中で救いを感じたのは、クレジットカードの便利さです。レストランでもカフェでもショップでも「ピッ」と一瞬で会計が終わります。地下鉄の改札もクレジットカードで通り抜けることができ、現金をほとんど使わずに街を歩くことが出来ます。その普及とスマートさに、アメリカの合理主義の底力を見たような気がします。一方、同時に怖さも感じます。強烈な物価高の国で、チップ支払いのボタン一つを押すことで、70ドル(11,000円)が消える軽さは、金額が現実の手触りを失っている感覚です。カード端末をタップしながら「自分が今、いくら使っているのか」を見失う感覚の鈍化に、少し背筋が凍ります。

ニューヨーク地下鉄改札
ニューヨーク地下鉄改札、クレジットカードでOK

そもそもクレジットカードは1950年代にアメリカで始まり、世界に普及していきました。現在ではアメリカ国民の約73%の人々が25歳までにクレジットカードを持ち、成人の84%がそれを利用するクレジットカード大国です。ただ最近は、クレジットカード会社が企業や店舗に請求する手数料が上がっていることから、企業や店舗がその分を客に対してサーチャージ(追加料金)する動きがあるようです。よってニューヨーク州では2026年2月より、クレジットカードで購入する際の「追加料金も含む総額」を明示するよう義務付けられました。確かに物販店で購入した際には「カード払いは4%アップ」の表示がされていました。

まとめ

旅を終えて日本に帰ると、レジでものを支払うたびに妙な安心感に包まれます。税込み表示で、チップも不要。値段の中に「サービス」も「感謝」もすでに含まれています。そんな日本の文化の洗練さを改めて感じます。キャッシュレス化が進む日本でも、この「含み」や「物の値打ちの感覚」は大切にしたいものだと思います。