最近深海鮫の肝油が再び注目されています。どこか懐かしい響きもある「肝油」。そもそも肝油って何なのでしょう?その成分や効能について調べてみました。もしかすると、深海鮫の肝油は唯一無二のスーパーサプリかも知れません。
「肝油」とは
昭和の「肝油ドロップ」
戦後の栄養不足を補うものとして肝油ドロップが学校給食の補助として支給されたり、夏休みなどの期間中の肝油ドロップを学校で購入することができました。当時は河合薬業の肝油ドロップが主流で、子供の顔が描かれた缶のデザインに、見覚えがある方もおられるのではないでしょうか。ただ、現在同社が販売している肝油ドロップはサメの肝油を原料としたものではなく、医薬品規格に基づきビタミンを混ぜ合わせたビタミン製剤となっています。
肝油を飲む 「老人と海」 ヘミングウェイ
1952年には発表されたヘミングウェイの小説「老人と海」は、1953年にピューリッツァー賞を、1954年にはノーベル文学賞を受賞しました。老漁師が84日間の不漁のあと、巨大なカジキを3日間の死闘のすえ捕獲するものの、その後サメに襲われて獲物を食べ尽くされてしまうという物語です。この中で主人公の老漁師がコップ一杯の肝油を飲み干し「元気の源だ」と語るシーンがあります。肝油の効能は、昔から世界中で共有されていました。
肝油の成分、効能
深海鮫肝油の主成分はスクワレンと呼ばれ、1906年辻本満丸博士によって発見されました。人体の皮脂にも存在する油であり、新陳代謝をアップさせる重要な役割を果たしています。スクワレンは酸素の運び屋ともいわれ、人体60兆個の細胞への酸素供給に不可欠です。ところがスクワレンの量は、20代を「100」とすると60代では「62」と約2/3にまで低下してしまいます。サプリメントなどでスクワレンを補うことは、抗酸化作用、アンチエイジング効果、免疫力向上と抗病原菌作用、抗ガン作用などが期待されます。そのほか肝油には、DHAやEPA、ビタミンA、D、Eなどが含まれるため、高血圧や肝臓病、中性脂肪やコレステロール値の改善にも寄与します。スクワレンはオリーブオイルやアボカドにも含まれますがその含有量は少なく、肝油から摂取することが最も効率的と言われています。
鮫の生態
深海鮫
深海鮫は水深700mから1500mといった、ものすごい水圧と少ない酸素、低い温度とわずかな太陽光しかない過酷な環境下に生息しています。深海鮫の肝臓は全体重の25%を占めその80%は肝油で満たされています。その栄養価の高さは天敵シャチも知っていて、シャチは深海鮫の肝臓部分のみを捕食し、他の部位には見向きもしません。
鮫の不思議
鮫は4億年前から形を変えずに生き続ける不思議な生き物です。恐竜が絶滅した氷河期でさえ深海に潜み生きながら得てきました。鮫には浮袋がないため水深に制限がなく深海に生息できますが、一方浮袋の代わりをする肝臓(肝油)は水よりは軽いものの、魚体全体としては水よりも重くなるため沈んでしまいます。沈まないためには揚力を得る必要があるので、鮫の尾びれは「上が長く」「下が短く」なっていて、水を斜め下に押し出し上方向の推進力を得ています。また、前方の胸びれで揚力を得て姿勢を制御しています。このため鳥と同様に一定速度以下になると揚力が不足し、沈んでしまいます。
まとめ
かつて国民の栄養補助食として親しまれ、またヘミングウェイの小説にも登場する深海鮫の肝油は、世界中に広がる長い実績があることから、安心して摂取できるサプリメントといえるでしょう。最近は新陳代謝のアップとアンチエイジングの効果が見直され、再びブームとなっています。筆者が利用しているオーガランドのスクワレンは、3か月分で1,980円、1日当たり22円程度と非常に廉価ですので、一度試してみてはいかがでしょう。
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