草津温泉を多くの方に楽しんでもらえるように、街の中心部に有料の日帰り温泉施設が3ヶ所整備されています。観光客の利便のために鍵付きのロッカーや、休憩所、施設によってレストランなどの付帯設備も用意されています。それぞれの施設を体験してきましたのでご紹介します。
草津の街の中心部
草津の街の中心部は意外と狭くて、中心の湯畑から西のはずれの「西の河原露天風呂」まで徒歩12分程度、東のはずれの「大滝乃湯」までは徒歩7分程度です。ただし坂が多いのと道が入り組んでいてまるで迷路のようですので、移動するには地図と目印の確認が必要です。
大滝乃湯
今回紹介する三湯の中では最も大きく付帯施設も充実しています。ここでは草津町の町民向けに半年または年間のパスポートが販売されていて、利用している町民も多いようです。2001年と2011年にリニューアル工事を実施して設備の充実が図られました。
大浴場には洗い場があってカランから真水が出ていますので石鹸やシャンプーを使うことができます。(ちなみに強酸性のお湯ですと、アルカリ性の石鹸は泡立ちません)また、サウナもありますし露天風呂のある屋外には外気浴で整うスペースも用意されています。大滝乃湯のウリは「合わせ湯」という温度の違う4つのお湯に、温度の低いほうから順番に入っていくという入浴法です。浴室以外にもラウンジのほか食事処や売店などもあり、充実した施設となっています。
大滝乃湯には煮川源泉51.6℃、ph2.1、無色透明のお湯が供給されていますが、この煮川源泉が供給されているのはここ大滝乃湯と近くの煮川共同浴場の2ヶ所のみです。そういう意味ではここのお湯は貴重ですよね。さらに第二、第四の土曜日には配管に詰まった湯の花を掃除するので、普段は透明なお湯が白濁したお湯に変わるため地元の人にも人気があります。たまたま第二土曜日の開場の9時少し前に行きましたら、白濁したお湯目当てでしょうか、年間パスポートを持った地元の人が20人くらい並んでました。
御座之湯
草津温泉の湯畑周辺には江戸時代から明治時代にかけて5つの共同浴場がありましたが、そのうちのひとつ御座の湯を再建したものです。源頼朝にゆかりがあるとされることから「御座」という名称が付けられています。構造は木造とし、外壁には白漆喰を用いるなど、当時の建物が再現されています。
1階の浴室は床・壁・浴槽が木造りの木之湯と、床と浴槽が御影石で造られた石之湯の二種類があり、日替わりで男湯女湯を入れ替えています。それぞれの浴室にふたつの浴槽があり2種類の源泉が供給されています。ひとつは湯畑源泉、55.7℃、ph2.1、無色透明で、もう一つは万代鉱源泉、94.5℃、ph1.6、硫黄分なく無色透明です。真水の洗い場があり、石鹸やシャンプーも備え付けられています。天井は高く木造の造りはダイナミックですが、外部への眺望はほとんどありません。付帯施設は受付付近にちょっとした売店があるほかは、2階に無料の畳敷きの広間があるのみです。ただ、この広間からは目の前に湯畑を一望することができます。
西の河原露天風呂
湯畑の西方、西の河原公園の先に「西の河原露天風呂」があります。男湯333㎡、女湯166㎡の大露天風呂です。周りは山々に囲まれ雄大な自然を360度堪能することができます。源泉は万代鉱源泉、94.5℃、ph1.6、無色透明です。大きな露天風呂がひとつあるのみですが、露天風呂の中には浮島のようにデッキが設置されていて、火照った体を寝転んで冷ますこともできます。付帯施設は脱衣所があるのみで、洗い場や休憩所もありません。驚くべきことに、金曜日の夕方以降は男女混浴となります。湯あみ着を着用して、女性が男湯側に入ることができるシステムで、女性はレンタル料400円、男性は無料で湯あみ着を着用することになります。
西の河原公園では西の河原源泉、44.9℃、ph2.1、無色透明、が流れていて足湯を楽しむことができます。公園内には草津温泉の医学的効能を世界中に知らしめたベルツ博士と、草津町民を無料で診察したスクリバ博士の銅像がありました。
三湯めぐり手形
大滝乃湯の利用料は980円で、御座之湯と西の河原露天風呂は各々700円です。全部で2,380円かかりますが、三湯めぐり手形を購入すると1,800円ですので、580円もお得になります。しかも三湯入場のスタンプが揃いますと「完湯認定証」がもらえますので、温泉好きとしては「ちょっとうれしい」です。
草津温泉に関する別記事があります。ご興味のある方はお立ち寄りください。