門司港レトロ地区の歴史建築探訪、海峡を望む門司港プレミアホテル泊

関門海峡の下を通る大型コンテナ船 歴史建築

門司港は対岸の下関と関門海峡で面し、かつては日本屈指の貿易港として人やモノ、情報、文化の交流の拠点として、栄華を極めたところです。ところが昭和60年代になると繁栄から取り残されたこの地区の建物は、財政的理由から解体危機にさらされてしまいます。そんな折、国と市が中心となって歴史的建造物を生かした街づくりが開始されました。「門司港レトロは1995年(平成7年)にグランドオープンを迎え、建築遺産の保護と、観光の拠点として整備されています。

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門司港駅

門司港駅は、関門トンネルが開通するまでは九州の鉄道の玄関口でした。対岸の下関との間に就航していた関門連絡船の中継駅として大いに賑わっていました。駅舎は国の重要文化財に指定されており、現役の駅舎で文化財の指定を受けているのは、ここ門司港駅東京駅丸の内駅舎の2駅のみです。日経新聞が2007年に実施したアンケートでは、訪れてみたい駅」で全国1位に選ばれています。

門司港駅レトロ リンク

門司港駅
門司港駅正面

1914年(大正3年)に竣工した門司港駅は、木造2階建です。ルネッサンス様式といわれるシンメトリー(左右対称)で、バランス(調和)の取れた外観です。コーニス(水平を強調する意匠)と角形ドームオーダー(古代ギリシャ建築の柱と梁)を彷彿とさせる柱梁の造形が印象的な外観です。

プラットフォームは長く、貨客の多かった当時の繁栄が偲ばれます。ホームの屋根や柱も当時の状態のまま保存されていますし、駅名看板も昔のままです。ホームにはベンチなど余分なものは置かれておらず、写真スポットとしても人気があります。

駅舎の内部はきれいに改修されています。当時の1等待合室は「みどりの窓口」として、3等待合室は「スターバックス」として、内装を改修したのち有効活用されています。

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旧大阪商船ビル

旧大阪商船ビルは、1917年(大正6年)の竣工です。港のターミナルビルとして、多くの人が利用した門司港の象徴的な建物です。1階は待合室税関事務所、2階はオフィス、3階は電話交換室倉庫として利用されていました。当時は海に面しており、目の前の桟橋から船に乗船していました。

旧大阪商船レトロ リンク

旧大阪商船ビル
旧大阪商船
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旧門司税関ビル

門司港税関ビルは、1912年(明治45年)に竣工しました。ルネッサンス様式のシンメトリーで落ち着いた佇まいです。赤レンガ御影石でデザインされた外観からは、当時の華やかな時代に思いを馳せることができます。

旧門司港税関レトロ リンク

旧門司港税関ビル
旧門司港税関

赤煉瓦に白の御影石、スレート葺きの寄せ棟の屋根が、端正で瀟洒な印象を与えます。

旧門司港税関ビル 遠景
旧門司港税関(海側)
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門司港レトロ展望室

門司港レトロ展望室は、黒川紀章氏が設計した高層マンションの最上階にあります。高さ103m、31階の展望室からは、関門海峡を一望できますので、ビューポイントとしては外せません。展望室にはカフェも併設されているため、ゆっくりと時間をかけて眺望を楽しむことができます。北九州市は2022年に日本新三大夜景都市」の全国1位に選定されていますので、ここからの夜景も体験してみてはいかがでしょう。

門司港レトロ展望室 リンク

門司港レトロ展望室ビル 外観
門司港レトロ展望室

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旧門司三井倶楽部

三井物産門司支店の社交クラブとして1921年(大正10年)に建築されました。接客用の洋風本館と、その裏に接続する和風建物倉庫からなります。1922年(大正11年)にアインシュタイン博士が来日した際に宿泊した部屋が、当時の状態のまま保存され公開されています。

旧門司三井倶楽部レトロ リンク

洋風の本館は、柱や梁が外側にむき出しになっているハーフティンバー様式が採用されています。1990年に国の重要文化財に指定されています。

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大連友好記念館

1979年(昭和54年)に北九州市大連市は友好都市を締結しました。1994年(平成6年)に両市の長い交易の歴史を街づくりに生かすべく建築された建物で、モデルは大連市にあったとされる歴史建築物を写真をもとに復元されました。

大連友好記念館レトロ リンク

大連友好館 外観
大連友好記念館

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NTT門司電気通信レトロ館

逓信省門司郵便局電話課庁舎として1924年(大正13年)に建てられました。放物線アーチが美しい大正モダンな建物です。門司で最初の鉄筋コンクリート造の3階建で、100年前の建物とは思えない状態です。現在は電信電話の歴史がわかる史料館として利用されています。設計は当時の逓信省営繕課の技師であった山田守。彼はのちに京都タワー日本武道館の設計も手掛け、いずれも1964年(昭和39年)に竣工しています。

門司電気通信レトロ館 リンク

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出光美術館

門司は出光興産創業の地でもあります。2000年に門司出光美術館が開館し、年に5~6回の展示会を開催しています。出光興産の創業者出光佐三の生涯の軌跡を紹介する出光創業史料室も併設されています。

出光美術館門司HP リンク

出光美術館門司 外観
門司出光美術館

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プレミアホテル門司港

門司港駅から徒歩3分の海沿いに建つ、独特のデザインが印象的なホテルです。設計はイタリアの建築家アルド・ロッシ氏が手掛け、2023年には全室リニューアルを実施済みです。ホテルの部屋から関門海峡を行き交う「大小さまざまな」を見ていると飽きることはありません。

プレミアホテル門司港 外観
プレミアホテル門司港

2023年の改修工事にあたってクラブラウンジテンポを新たにオープンしました。プレミアルームスイートルームに宿泊した方限定で利用できる施設です。軽食やおつまみ、お酒、ドリンクがすべて無料で利用できます。

プレミアホテル門司港 HP リンク

じゃらん プレミアホテル門司港 リンク
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まとめ 門司港レトロマップ

門司港レトロ地区は比較的狭い範囲に歴史建築物などがありますので、散策で巡るのに最適です。少し足を延ばせば関門橋や和布刈神社、渡し船で対岸の下関に渡るもの簡単です。宿泊は是非プレミアムホテル門司港で、ちょっと贅沢をしてプレミアムルームをチョイスしてクラブラウンジ「テンポ」でお寛ぎください。関門海峡と関門橋、行き交う船を眺めつつ、歴史建築を巡って栄華を誇った頃の門司港に思いを馳せるのはいかがでしょう。

門司港レトロ地区 公式HP リンク

門司港レトロ地区 マップ
門司港レトロマップ
門司港レトロ地区 マップ
門司港レトロマップ 広域図
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おまけ

門司港はバナナ叩き売りの発祥の地だそうです。大陸や台湾との交易の中心地として、」バナナの輸入が盛んだったためでしょう。2017年(平成29年)には日本遺産にも登録されたそうです。

バナナの叩き売り の碑

門司港レトロ地区、対岸の下関地区に関する別の記事があります。ご興味のある方はお立ち寄りください。