芝生の除草剤から、日々の健康について考えてみた

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春になると地上部分が枯れていた芝生も徐々に芽生えてきます。庭の一角の狭い範囲が芝生なのですが、それでも次々に生えてくる雑草取りには手間が掛かります。そこで芝生の除草剤を使うと「あら不思議」、雑草だけがいなくなりました。

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芝生の除草剤「活性酸素」

芝生用除草剤は「選択性除草剤」と呼ばれるタイプが多く、雑草のみを効果的に枯らし芝生にはほとんど影響を与えないように設計されています。また、光と反応して植物体内で「活性酸素」を大量に発生させ、その強い酸化力によって細胞膜や細胞内物質を破壊して枯らす仕組みを持つ除草剤もあります。芝生は「活性酸素」を無毒化できる抗酸化酵素抗酸化物質を豊富に持つため、こうした除草剤の影響を受けにくいという特徴があります。

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人体における「活性酸素」

活性酸素」は人体にとっても重要です。本来は、細菌ウイルスなどの異物を攻撃し、免疫機能や細胞間の情報伝達を司るなど、生命維持に必要な役割を担っています。体内には過剰な活性酸素を無毒化する抗酸化酵素抗酸化物質が備わっており、通常はバランスが保たれています。しかし、加齢ストレス紫外線喫煙、過度の飲酒食品添加物などが原因で「活性酸素」が増えすぎると、その強い酸化力によって正常な細胞や組織も傷つけてしまいます。これが「酸化ストレス」と呼ばれる状態で、老化がん心筋梗塞脳梗塞糖尿病動脈硬化などの生活習慣病、さらには認知症アトピー性皮膚炎などの疾患の一因となることが知られています。まさに芝生で雑草を枯死に至らせているのと、同じ状況です。

活性酸素による人体のダメージの解説図
活性酸素によるダメージ 出典:LA MAHINA
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活性酸素と健康法

「活性酸素」のコントロールに着目した健康法にはどのようなものがあるでしょう。①適度な運動ー軽めの運動は抗酸化酵素の働きを高め、活性酸素の害を抑えつつ必要な活性酸素の働きを維持します。激しい運動は逆に活性酸素を増やすため、注意が必要です。②適切な食事ー野菜や果物、ナッツ、豆類、緑茶などに含まれるビタミンC・E、ポリフェノール、カロテノイドなどの抗酸化物質をバランスよく取ることが重要です。③生活習慣ー禁煙、節酒、ストレス管理、十分な睡眠、紫外線対策なども活性酸素の発生を抑えるために有効です。④抗酸化物質の過剰摂取ー活性酸素は脳機能や免疫にも必要なため、抗酸化物質の過剰摂取はかえって健康に悪影響を与える場合があります。

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まとめ

加齢とともに抗酸化能力が低下するため、活性酸素を抑える意識は必要ですが、あくまでも活性酸素と抗酸化物質のバランスを保つことが重要です。ストレス睡眠紫外線などの生活習慣と、軽い運動、適切な食事を心がけ、芝生のように青々とした人生を謳歌したいものです。