湯河原温泉とは
「湯河原温泉」は万葉集にも詠まれた古い湯で、江戸時代には湯治場として賑わい、明治以降は夏目漱石や国木田独歩、島崎藤村をはじめ多くの文人・画家に愛されてきました。都心から約90分、湯河原駅から温泉地中心まではバスで10分程度の近さです。

万葉公園
「万葉公園」は湯河原温泉の中心地区にあり、落合橋から千歳川沿いに広がる緑地公園です。元々は実業家大倉孫兵衛の湯治用別荘地でしたが、戦傷病者の保護養地として開放されたのち「大倉公園」となっていました。その後万葉集に登場する唯一の温泉地であることから「万葉公園」へと改称されます。日本の歴史公園100選に選出されています。
2021年(令和3年)に湯河原町と民間事業者の共同事業(PFI事業)として施設を再整備することとし、既存施設の改修や減築、渓流沿いの緑道整備などが行われ、魅力ある施設として生まれ変わりました。

玄関テラス
「玄関テラス」は県道と落合橋に面した位置にあります。4階建ての古い建物を耐震性から2階建てに減築し、大きなウッドテラスを設けました。カフェ、コワーキングスペース、運営会社事務所などが入っています。

施設の1階はカフェと喫茶コーナー、トイレがあり、建物脇には足湯もあります。


建物2階には眺めの良いコワーキングスペースとスタジオ、オフィスがあります。


散策路
「玄関テラス」から「惣湯テラス」に向かう千歳川の渓流沿い道は、舗装された歩きやすい散策路でところどころに東屋やベンチが置かれ、ゆっくりとした時間を過ごすことができます。


きれいに舗装された散策路とウッドデッキの上に置かれたベンチは、清潔感のある気持ちの良いスポットです。

千歳川の水量は多く、間近で見る流れの勢いはなかなかの迫力です。

途中には滝もあります。滝の音と漂うマイナスイオンに包まれる森林浴です。

惣湯テラス
正式名称は「湯河原惣湯Books&Retreat」とし、森を感じながら、湯で緩み、食で満たされ、本に没頭する、というコンセプトです。滞在時間ごとに予約が必要で、混雑しないように入場者数が制限されています。また、静かな時間を大切にするために中学生以上の利用に限定されています。
ダイニング棟
惣湯テラスも既存の建物を改修したものです。2階建てのダイニング棟には、で1階に更衣室とダイニング、2階にライブラリーがあります。


大浴場
「大浴場」はダイニング棟から渡り廊下でつながっています。脱衣所は装飾を排したシンプルな作りで、浴槽は迷路のように仕切りが配されたひとつの浴槽です。外に向かっての背もたれが増えますし、場所によってお湯の温度が変わっていますので、なかなか面白いアイデアだと思います。小さなサウナも併設されていました。

源泉かけ流しの温泉は、弱アルカリ性(ph8.3)、無色透明無臭、源泉温度60.5℃、加水あり。

ダイニング
ダイニングの内装は躯体をそのまま仕上げとするシンプルな造りです。館内では全員がゆったりとした館内着で過ごすので、施設全体にゆったりとした時間が流れているようです。

バーカウンターでは、アルコールを含む各種ドリンクが、ウエルカムドリンクとして1杯無料で提供されます。ソフトドリンクは無料で提供されています。施設利用にはふたつのコースがあって、食事付きのコースは滞在時間5時間で6,500円、食事なしのコースは滞在時間3時間で3,300円です。


ライブラリー
「ライブラリー」には、1,500冊の蔵書の中からセレクトされた150冊が並びます。椅子は座面が低くて広く、ひじ掛けも片方だけですので、いろいろな座り方でゆったりできます。1階のダイニングから飲み物を持ってきても大丈夫です。ゆったりとした静かな時間が流れます。



奥の湯
「奥の湯」は、ダイニング棟から散策路を少し歩いたところにあります。男女別の浴室ですが、各々1組ずつが予約してから利用します。ダイニング棟出入口のところに、20分ごとに区分された予約表がありますので、希望時間帯に記名してから利用します。

奥の湯の内観です。浴槽の先には川が流れ野趣あふれます。

浴槽の天井はルーバー状になっていて、景色とともにたっぷりの陽が差し込んできます。浴室の入り口は簡単な「使用中の札」をかけて利用します。


奥の湯の脇には、別棟の「奥の湯ラウンジ」があり無料で利用できます。リラックスチェアのほか、ドリンクサービス、本、が用意されています。奥の湯に浸かったあとも、ゆっくりとした時間を過ごすことができます。

まとめ
「湯河原惣湯Books&Retreat」は、森と温泉、食と本をコンセプトにした、静かで落ち着いた時間を提供してくれる大人の施設です。入場者数や年齢を制限したり、ゆったりとした館内着、寛げるライブラリーなどの設備が、特別な時間を演出してくれます。ほかの施設では味わえない非日常と、深い満足感に浸ることができると思います。
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湯河原に関する別記事があります。ご興味のある方はお立ち寄りください。
