辰野金吾は1896年(明治29年)42歳の時に「日本銀行本店」の設計を行ったのち、日本銀行の支店や、その他の金融機関、駅舎、ホテルなど数多くの設計に携わりました。「日本銀行京都支店」は「京都文化博物館・別館」として保存され、「第一銀行京都支店」は一度取り壊されましたが当時の外観を復元したレプリカ建築として蘇っています。
旧日本銀行京都支店
外観
1906年(明治39年)に竣工した「日本銀行京都支店(当時)」です。1965年(昭和40年)に日本銀行が移転し、1969年(昭和44年)には重要文化財に指定されました。その後、二度にわたる改修工事を経て、現在は「京都文化博物館・別館」として展示会やコンサート会場として活用されています。
外観は赤煉瓦に白い花崗岩を帯状に巡らせる「辰野式」といわれるデザインです。すっきりとした印象の外壁であるとともに、尖塔のように突き出している両翼の塔屋と正面入り口の上部は、銅板とスレートが用いられ、シャープで華やかな印象です。

屋根部の尖塔とドーマー窓はすっきりとした印象ですが、入り口上部の半円形の石の庇にはリブが付けられ、重厚さと豪華さが際立ちます。

内部
建物中央部は2層吹き抜けの大空間です。2階外壁面の窓からの採光と、天井からも屋上ドーマー窓からの光を取り込み、室内は明るい印象です。当時の照明器具も復元されて設置しています。入口手前の客溜まりと、銀行営業室は柵で仕切られ、客溜まり部分は自由に見学できますが、奥の営業室部分は予約制で、展示会やコンサート会場などに貸し出されています。

客溜まりから見た銀行カウンターは、木製の堅固な柵で仕切られていますが、腰の部分はデザインされた大理石で、とても明るい印象です。



京都文化博物館・本館
別館として活用されている「旧日本銀行京都支店」の建物の裏手に、「京都文化博物館・本館」が」建てられています。1988年(昭和63年)竣工、RC造、地上7階地下1階の建物です。1階は京都の町家を再現した店舗や飲食店があり、2・3階は総合展示室、4階は特別展示室、5・6階は貸出用の展示室です。京都の歴史と文化を紹介する歴史博物館と、京都ゆかりの芸術を展示する美術館の性格を併せ持ちます。

旧第一銀行京都支店
旧日本銀行京都支店にほど近い、三条通りと烏丸通りの交差点に「みずほ銀行京都中央支店」があります。この建物は、1906年(明治39年)辰野金吾の設計により「第一銀行・京都支店」として建てられましたが、1999年(平成11年)に解体されてしまいます。その後2003年(平成15年)に、外観を再現した「レプリカ建築」として復元されました。

三条通・景観整備地区
京都鴨川にかかる「三条大橋」は「東海道五十三次」の終着点でしたので、それに連なる「三条通」は交通の要衝、経済の中心として様々な施設が集積して発展していました。その後、三条通の道幅が狭いことから、街の中心が道幅の広い四条通に移っていったため、三条通界わいでは当時の建物がそのまま残っています。京都市はこの地区に残る歴史建築を守るため「三条通界わい景観整備地区」を制定しています。
中京郵便局
「旧日本銀行京都支店」の並びにある「中京郵便局」です。郵政省の設計により1902年(明治35年)に竣工した赤煉瓦造りの美しい建物です。白の隅石がとても強いインパクトです。ネオ・ルネッサンス様式の代表作と言われるこの建物は、保存運動もあり1978年(昭和53年)に「外壁を残して、内部は新築する」手法で改修された最初の事例です。



三条通界隈
ホテル
「三井ガーデンホテル・京都新町別邸」は、京都らしい構えでホテルとレストランが併設されていて、各々別の入口があります。朝食は季節の焼魚などの八寸と、好きな料理をバイキング形式で選ぶハーフブッフェスタイル。とても美味しくてお値段以上の価値はあると思います。しかもお土産券が付いていて、隣接のショップでお土産やドリンクなどと交換することができます。

飲食店
ホテルから徒歩2分の六角通りに面した飲食店で、町家を改造した「Summy」。散策の途中で見かけて気になったので、夜に出直しました。2022年12月にオープンしたお店で、腕の確かなマスターと明るい店員さんのおかげで楽しく過ごしました。料金もリーズナブルなので、京都に訪れた際には再訪したいと思うお店です。
住所:京都市中京区室町六角西入る五蔵街127-4 TEL:075-505-6006


周辺マップ
鴨川に架かる三条大橋から西に延びる三条通。「旧日本銀行京都支店」などの歴史建築が並びます。その先に「三井ガーデンホテル・京都新町別邸」、ホテルそばの六角通りに「Summy」があります。

--------------------
辰野金吾に関する別記事があります。ご興味のある方はお立ち寄りください。


