湯河原温泉とは
湯河原温泉は万葉集にも詠まれた古い湯で、江戸時代には湯治場として賑わい、明治以降は夏目漱石や国木田独歩、島崎藤村をはじめ多くの文人・画家に愛されてきました。都心から1時間半で、湯河原駅から温泉地中心まではバスで10分程度の近さです。
万葉公園
万葉公園は湯河原温泉の中心地区にあり、落合橋から千歳川沿いに広がる緑地公園です。元々は実業家大倉孫兵衛の湯治用別荘地でしたが、戦傷病者の保護養地「養生園」として開放されたのち譲渡されて「大倉公園」となっていました。1951年(昭和26年)に万葉集に登場する唯一の温泉場であることから「万葉公園」へと改称されました。日本の歴史公園100選にも選ばれています。
2021年(令和3年)に湯河原町と民間事業者の共同事業(PFI事業)として再整備され、既存施設の減築などを伴う大規模なリニューアルが行われ、魅力ある施設として生まれ変わりました。
玄関テラス
玄関テラスは県道と落合橋に面し、まさに玄関の位置にあります。もともと4階建ての建物を2階に減築し、大きなウッドテラスとカフェ、コワーキングスペース、運営会社事務所などが入る入場無料の施設です。
施設の1階はカフェと喫茶コーナー、トイレがあり、建物脇には足湯もありました。
建物2階には眺めの良いコワーキングスペースとスタジオ、オフィスがあります。
散策路
玄関テラスから惣湯テラスに向かうには、千歳川沿いにある川の道を進むことができます。きれいに整備された歩きやすい散策路の所々に東屋やベンチが置かれ、思い思いの時を過ごすことができます。
きれいに舗装された散策路とウッドデッキの上に置かれたベンチは、清潔感のある気持ちの良いスポットです。
千歳川の水量は多く、間近で見る流れの勢いはなかなかの迫力です。
途中には滝が何か所か流れ落ちています。滝の音と漂うマイナスイオンで最高の森林浴です。
惣湯テラス
正式名称は「湯河原惣湯Books&Retreat」です。森を感じながら湯で緩み、食で満たされ本に没頭するというコンセプトです。滞在時間ごとの予約が基本で、混雑しすぎないように入場制限するとともに、静かな時間を過ごすため中学生以上の利用に制限されています。
ダイニング棟
惣湯テラスも既存の建物を改修して整備されました。正面の2階建ての建物がダイニング棟で1階に更衣室とダイニングがあります。湯屋にはダイニングを通り抜けて、外の渡り廊下を通って向かいます。
湯屋
ダイニングを抜けて渡り廊下を渡って湯屋に向かいます。脱衣所は装飾を排したシンプルな作りです。湯舟は迷路のように仕切りが配されたひとつの浴槽ですが、何人かが同時に入る場合や、場所によって湯の温度が変わるので、なかなか良いアイデアだと思います。小さなサウナも併設されていました。
源泉かけ流しの温泉は、弱アルカリ性(ph8.3)で無色透明無臭、源泉温度は60.5℃ありますので温度調整のため加水をしています。
ダイニング
ダイニングの内観です。内装は躯体を現しにしたシンプルな作りです。入館するとまず館内着に着替えて、館内では全員が館内着で過ごすのが決まりです。ゆったりとした時間を過ごす環境づくりを最優先にしています。
ダイニングのドリンクバーは無料で提供されています。これとは別にバーカウンターがあって、アルコールを含む各種ドリンクが、ウエルカムドリンクとして1杯無料で提供されます。食事は予約制で、食事付きの場合は滞在時間5時間(6,500円)です。食事なしの場合は滞在時間3時間(3,300円)です。
ライブラリー
ライブラリーには、1,500冊の蔵書の中からセレクトされた150冊が並びます。椅子は座面が低く、かつ広く、ひじ掛けも片方にしかないので、いろいろな座り方でゆったりできます。下のダイニングから飲み物を持ってくることも可能です。静かで豊かな時間が流れます。
奥の湯
ダイニング棟から上流方向に少し歩いたところに奥の湯があります。男女各1組の湯舟ですので、ダイニング出口のところで時間割表に記名して予約のうえ利用します。
奥の湯の内観です。湯舟の先には川が流れ野趣あふれます。
湯舟の天井はルーバー状になっていて、景色とともにたっぷりの陽が差し込んできます。湯屋の入り口は簡単な使用中の札をかけて利用します。
奥のラウンジ
奥の湯の脇には別棟の奥の湯ラウンジがあり、無料で利用できます。なかにはリラックスチェアのほかドリンクサービス、そして本が用意されています。ここでもゆっくりとした時間を過ごしてほしいとの心配りです。
まとめ
都心から1時間半の歴史ある湯河原温泉の中心に位置する万葉公園に「湯河原惣湯Books&Retreat」が2021年(令和3年)にオープンしました。「森・温泉・食・本」がコンセプトの豊かな時を過ごすことができる施設で、特に女性の方々に人気のようです。料金は少々高めですが、他所では味わえない豊かな体験ができますので、一度訪れてみてはいかがでしょう。