東京23区内にも数多くの温泉施設がありますが、板橋区の前野原温泉「さやの湯処」は、うぐいす色の温泉はもとより和風建物の雰囲気や日本庭園などの和のテイストと、充実の設備、低廉な料金が人気の施設です。23区内で温泉旅館に行った雰囲気が楽しめる、前野原温泉「さやの湯処」をご紹介します。
建物外観と日本庭園
前野原温泉「さやの湯処」は、特殊金属エクセルの工場と創業者谷口周(ちかし)氏の邸宅があった場所に、邸宅の建物と枯山水の日本庭園を再利用して、同社の温浴事業施設として2005年開業しました。
創業者の邸宅は1946年(昭和21年)に完成しました。枯山水の作庭は創業者自ら設計を行い、全国から名石を収集したものです。
建物内観
館内見取り図
入り口左側がお風呂などメインの建物で、渡り廊下を渡った右側にお食事処があります。その間に枯山水の日本庭園があり、お食事処と渡り廊下から眺めることができます。
お食事処「柿天舎」
お食事処柿天舎(してんしゃ)から枯山水の庭を望む写真です。この建物は1946年(昭和21年)に建てられ24年間創業者の邸宅として利用されていたものを再生利用しています。創業者の雅号「柿天」にちなんで柿天舎と名付けられています。昭和の雰囲気が漂い、心が休まります。ここから眺める枯山水の庭園はまるで温泉旅館に来たかのようです。
ロビー
靴をげた箱に入れて入館すると、その鍵が館内利用の各種料金の精算機能を持っているリストバンドとなって、館内はキャッシュレスで過ごせます。レンタルタオル(330円)や購入タオル(160円)、レンタル館内着(330円)なども自動販売機でキャッシュレスで購入できます。
ロビーは広く清潔で、待ち合わせスペースやマッサージ機、自動販売機のほかうたたね処や手もみ処などがあります。2階は岩盤浴施設でこちらは別料金となります。
温泉
天然温泉は地下1500mから汲みあげた塩分濃度が高い塩化物強塩温泉、ph7.4の中性で高張性温泉です。源泉は東京都環境局の揚水規制により1日50㎥に制限されているため源泉かけ流しの浴槽は比較的小さく、あふれたお湯は隣の露天風呂浴槽に移り、加水循環して再利用されています。源泉の浴槽は写真の通り美しい「うぐいす色」ですがヨウ素を含むため時間がたつと黄色く、また鉄分も含むため酸化して赤茶色に変色するため、隣の露天風呂浴槽は「うすい赤茶色」のお湯でした。
その他のお風呂
サウナは大きく清潔感があります。温度は92℃で少々高めの設定のようです。水風呂は14℃。外気浴をするスペースも十分ありますのでサウナ好きの方も満足できると思います。このほか薬草塩蒸風炉というのがあって優しい感じの薬草サウナといったところでしょうか。
面白いのはつぼ湯と寝ころび湯。つぼ湯は一人用のつぼにザブーンと溢れるお湯の贅沢さを堪能できます。寝ころび湯はリラックスして寝ころんだ状態になれて、体の半分くらいがお湯につかっている感じです。眠ってしまっても溺れることはないので安心です。
内湯には高濃度炭酸泉の大きな浴槽のほか、寝湯、座り湯、腰かけ湯、たち湯などバラエティーに富んだお風呂がラインアップされています。
さやの湯処がある「志村坂上」周辺案内
中山道、志村一里塚
前野原温泉さやの湯処は都営三田線志村坂上駅から徒歩8分の所にあります。志村坂上駅は江戸時代から続く街道中山道に面しており、駅前には志村一里塚という史跡が残っています。ここ志村坂上駅からは都営三田線で大手町や日比谷まで直通30分、JR巣鴨で乗り換えれば池袋まで25分、新宿まで30分の便利さです。しかも「さやの湯処」の目の前にはイオンスタイル板橋前野町店がありますので、生活するにも便利な街だと思います。
見次公園
志村坂上駅から「さやの湯処」に向かって歩いていくと、途中に大きな池がある「見次公園」があります。4月~10月の週末には手漕ぎボートで遊ぶこともできますし、春には桜を楽しむこともできます。
季節料理 手打蕎麦 よし田
志村坂上駅から中山道を東京方面に進んで徒歩2分の所に「季節料理 手打蕎麦 よし田」があります。ビルに建て替えてしまいましたが、内装は和の趣が色濃く残っています。蕎麦はもちろんのこと和食料理もおいしいのでお勧めです。「さやの湯処」も十割蕎麦がウリのひとつですので、どちらのお蕎麦を頂くかは皆様のお好みでチョイスしてみてください。
まとめ
東京23区内でこれほど温泉旅館風で贅沢な日帰り温泉施設は、なかなかお目にかかれないと思います。うぐいす色の天然温泉は珍しいですし、サウナや外気浴の施設も充実しています。料金もリーズナブルですし、お食事処の雰囲気も素敵ですので、休日は少々混雑しているようです。HPなどで混雑状況を確認してから行くことをお勧めします。
日帰り温泉についての別記事があります。ご興味のある方はお立ち寄りください。