別府には八つの温泉郷があります。別府市内の「別府温泉」「浜脇温泉」や、湯けむりが立ち昇る「鉄輪温泉」のほか、「明礬温泉」「亀川温泉」「観海寺温泉」「堀田温泉」「柴石温泉」などです。八湯にある150湯の温泉場を巡る「別府八湯温泉道」というスタンプラリーを別府市が企画していて、八十八湯を制覇すると「名人」の称号が与えられます。名人に至るまでには制覇数に応じて「段位」が授けられますので、今回は「四十湯・五段」を目指します。

別府温泉・浜脇温泉
別府の温泉に訪れる際は、湯けむりの街「鉄輪温泉」で遊ぶことが多いのですが、今回は「入湯数」を稼ぐため、地元共同湯の多い「別府温泉」と「浜脇温泉」を集中的に廻ることとしました。

1日目
別府駅に到着後、まず「駅前高等温泉」に向かいます。駅前にあり大正時代の洋館風レトロ建築が目を引きます。番台のおじさんの話だと、有名な「竹瓦温泉」と「駅前高等温泉」だけが、今でも歴史的建造物で営業しているそうです。「あつ湯」と「ぬる湯」があって、別浴室で別料金です。「あつ湯」は古い温泉によく見られる「半地下式」で、脱衣所からは階段を下りて浴槽にたどり着きます。源泉温度は50.6℃で源泉かけ流しですが、浴槽の温泉温度は体感で45℃位となっている感じです。「あつ湯」には、温泉浴槽の隣に「冷泉槽」があり、温泉を冷まして38℃位になっており「交代浴」を楽しめます。


海門寺公園に隣接する「海門寺温泉」は、2010年(平成22年)にリニューアルした新しい建物です。「あつ湯」と「ぬる湯」のふたつの浴槽が並び、体感で各々45℃と42℃位の感じです。「梅園温泉」は繁華街のど真ん中にありますが、2016年(平成28年)の熊本地震で被災し2018年(平成30年)に新築再建されました。温泉温度は若干低く、体感で41~42℃位でしょうか。地元の方によると昔はもっと熱かったそうで「上がり湯は1℃位温度が高いよ」と教えてくれました。


「寿温泉」も繁華街のはずれにあり、外観は地元湯の雰囲気が漂います。温泉温度は42~43℃で丁度よく、柔らかい泉質です。一緒になった地元の方も「ぽかぽかとなり、ゆっくり眠れる」と、他の地元湯から「寿温泉」にホームグランドを移したそうです。

かつて、「寿温泉」は理髪店の床下から温泉が湧いていたそうで、昔は「床下の湯」と呼ばれていました。婦人病によく効くと人気の温泉で、1926年(大正13年)に改築されてから男性も入れるようになりました。

2日目
地元湯の多くは早朝から開いていますので、朝から宿近くの共同湯を歩いて廻ります。「北的ヶ浜温泉」は海沿いの道路に面していて、以前は早朝に着く四国からのフェーリー客がよく来ていたそうです。42℃位でしたが地元の方が「ぬるっ!」と言っていましたので、誰かが水を入れてしまっていたのでしょう。外で涼んでいましたら、入り口脇のお地蔵さんに丁寧に手を合わせる方がいます。どこの共同湯にも「お地蔵さん」や「神仏」が祀られています。「大和温泉」は半地下式で丸い小さな浴槽がひとつだけです。湯桶も2個しかないので観光客の入浴が重なると困るかもしれません。温泉温度は体感で43℃位です。「野口温泉」は地味な構えで、うっかり通り過ぎてしまいそうです。入浴者も少ないのか、初めて一人で浴室を独占しました。



一度宿に戻って、フロントで「自転車」を借りて再出発です。「不老泉」は2014年(平成26年)に改築された近代的な建物ですが、その歴史は明治時代にまで遡ります。広く大きな浴室で「あつ湯」と「ぬる湯」が並びます。体感で44℃と42℃といった感じです。

館内は近代的できれいに整備されていて、昔の写真や歴史が開設されています。1905年(明治35年)に造られた木造3階建ての建屋には、1階に特等・上等・並等の浴室があり、2階・3階は休憩所で遠く景色を楽しめたそうです。

「田の湯」の番台には女性の受付がいました。共同湯には受付が居るところと、無人のところの二種類があります。体感で45℃位でしたが、加水しているとの表示がされています。「錦栄温泉」では地元の方3名と一緒になりましたが、皆さん楽しそうにおしゃべりしています。熱めの温度で44℃~45℃位でしょうか。とても雰囲気の良い明るい共同湯です。ここでも入口のお地蔵さんに丁寧に手を合わせる方を見かけます。共同湯が地元コミュニティの結節点になっていることを実感します。
「朝見温泉」は一人でしたが、湯温が42℃位で自分には少しぬるかったので早々に退出です。「八幡温泉」の玄関脇には温泉タンクがあるので期待が高まります。泉質は良く肌がツルツルになる感じです。「此花温泉」は建替えた公民館の一角にある感じで趣はありません。「山田温泉」の泉温は42℃位。「蓮田温泉」の泉質は「八幡温泉」と似ています。「浜脇温泉」は大規模な公共施設の一角に併設された温泉施設で、広い浴室に「あつ湯」と「ぬる湯」の浴槽が並びます。近代的過ぎて趣には少々欠けます。









「永石温泉」はミニ「竹瓦温泉」とも称される堂々とした風格ですが、この建物は1991年(平成3年)に建てられた比較的新しいものです。「半地下式の浴室」を持ち「折り上げ天井」とするなど、往時の温泉施設のデザインが再現されています。湯温は44℃位の適温です。建物脇に湯上り空間となるポケットパークも整備されています。半地下式の浴室は、ポンプ設備が未発達だった時代に、温泉供給の利便のために地下式としたことに起因します。

「紙屋温泉」は、一説には江戸時代からこの地に湧き出ていたとされ、現在でも飲泉が可能です。「日の出温泉」は海岸近くに位置していますが、山側の「錦栄温泉」「此花温泉」「末広温泉」と別府市営の温泉配管で接続されています。訪問した数日前に山側で温泉配管の修理をしたそうで、工事の際の土が混じっていると、管理の方が清掃を行っていました。下流にあたるのでまだ土成分が流れてきていたのでしょう。
「松原温泉」は地元湯ながら清潔感がありました。あつ湯が45℃でぬる湯が42℃位だと思いますが、浴室床に座って休憩していると、太ももに「あまみ」が出ています。サウナに入ったときにできる「赤いまだら模様」です。45℃位のお湯だとできるのでしょうか?。「南的ヶ浜温泉」は地元密着の優しい温度で42℃位です。「春日温泉」は45℃位でしたので再び「あまみ」ができます。しかし、やはり少し熱いのでしょうか、地元の人が加水をしていました。






夕食は居酒屋で済ませたので、その帰りに「立ち寄り湯」をやっているホテルに寄ってみました。「ゲストハウスサンライン別府」というホテルで、安く泊まれる施設のようです。「立ち寄り湯」も格安で300円でした。

清潔で大きな浴槽がある大浴場なので快適です。ボディソープやシャンプー・リンスも備えられているので、一日を締めくくるのはぴったりの施設でした。

3日目
別府中心部は意外と狭く、自転車を使えば「別府温泉」「浜脇温泉」のエリアは効率よく廻ることができます。3日目も朝から自転車で移動です。「若草温泉」は44℃位でしょうか、熱めで気持ちのい温泉です。ゆっくり温浴を楽しんでいると「あまみ」が出てきます。44℃位から「あまみ」はできるようです。あるいは連日の温泉入浴で「あまみ」体質になっていたのかもしれません。
無人の共同湯の場合は、入湯料の支払いに100円玉をたくさん用意しておくことと、その投入口をよく確認する必要があります。「餅が浜温泉」の入り口にはポストしかなく、そこに入湯料を投入して扉を入ると、そこに料金箱が・・・。張り紙や注意書きをよく読めば書いてはあったんですが、不注意でした。「天満温泉」温泉排気塔があり、湯けむりが立ち昇ります。別府市が配管によって供給する温泉と、敷地内で汲み上げている温泉の二種類があるようです。
「富士見温泉」は、地元共同湯の中で最も気に入った温泉のひとつです。半地下式の適度な大きさの浴室に5~6人がゆったり入れる大きさの浴槽がひとつあり、熱い温泉がコンコンと湧いています。建物は古いのですが、床と壁のタイル部はきれいに磨かれ清潔感があります。半地下式のため天井は高く開放感があり、大きな窓からはたくさんの光が差し込んでいます。別府で暮らすならこの共同湯の近くがいいな、などと空想を巡らせます。





別府八湯温泉道~五段
3年前から「温泉道スタンプ」を集めていましたので、今回で40個を超えました。目標としていた「五段」が認定されますので、別府市観光協会に出向いてその場で「認定証」を頂きました。

宿
今回宿泊したのは「はまゆう 凪」という貸し間スタイルのお宿です。ユニットバスがついていましたが、布団敷きはセルフサービスで浴衣やアメニティはありません。共同の炊事場と冷蔵庫、談話・食事スペースがあって、お風呂は源泉かけ流しの温泉です。また、自転車を無料で貸してくれるのも大きな魅力です。料金は驚くほど安く、清潔感もそこそこですのでコストパフォーマンスは良いと思います。



まとめ
地元湯と言っても、別府市が運営する比較的大きな施設や、地域のコミュニティが運営する共同湯など多種多彩です。運営資金の関係でしょうか施設の補修状況や、清掃・メンテナンスの状況、管理人の有無など施設ごとに異なります。料金は概ね100円か200円で、たまに250円・300円のところがある感じです。明るく挨拶して入ると優しく反応してくれて、皆さんいい人です。別府の温泉文化の魅力を垣間見た気がします。
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別府温泉に関する別記事があります。ご興味のある方はお立ち寄りください。
